地域とともに生きる場...元牧師・中野さんが障害者支援へ事業所

  このエントリーをはてなブックマークに追加 
いのちの木を設立した中野さん。利用者の様子を見ながら作業を進め、作業場で利用者同士の会話が弾む

 「精神障害者が発信できる、地域に密着した場をつくりたい」。元牧師の中野裕也さん(47)は昨年6月、福島市に精神・知的障害者を対象とした就労継続支援B型事業所「いのちの木」を開いた。精神障害者が地域とともに生きられる場を目指し、利用者を募集している。

 中野さんは2014(平成26)年3月まで、牧師として本県や北海道、秋田など各地で勤めてきた。牧師として関わる人の中には精神障害のある人もいたが、数年おきに異動する牧師の立場では深く支援に関わることは難しかったという。

 そんな時、北海道の精神障害者の地域活動拠点「べてるの家」についての本を読み、障害者が地域とともに生きる姿に衝撃を受けた。「地域に根差して精神障害のある人たちと関わりたい」と決意、牧師を辞めて事業所の設置へ動き始めた。

 現在20~50代の6人が事業所を利用し、機械部品の組み立てや野菜、果物の栽培に取り組んでいる。今後は農作業のほか、将来的には直売所やカフェなど地域に開かれた事業展開も視野に入れている。

 作業前には、利用者同士が苦労や悩みを話し合うミーティングを欠かさない。最初はほとんど話せなかった人も、安心して悩みをオープンにできる場所を得て徐々に自分のことを話せるようになるという。中野さんは「みんなで話し合うことで、本人だけでなく周囲も活気づき、良い循環ができる。障害があっても生きていると思える場所をつくりたい」と思いを語った。

 いのちの木の住所は福島市泉字乙天堂16の1。現在、賛助会員、寄付を募集している。賛助会員の入会費は個人3000円、法人・企業1万円。