尚志が僅差勝利...泥くさく「4強」進出 原動力は『自己犠牲』

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帝京長岡に勝利し喜びを爆発させる尚志イレブン=等々力陸上競技場

 相手を圧倒する派手さはなくとも、僅差の試合をものにする泥くささがあった。川崎市で5日行われたサッカーの全国高校選手権。「(けがや出場停止で)出られない選手のためにも勝って、準決勝に行こう」。尚志イレブンの強い思いが7年ぶり2度目の「4強」の原動力だった。

 「お互いカバーし合い、勝利のために自分が与えられた役割をしっかり果たそう」。けがで離脱中のDF馬目裕也(3年)に加え、今大会守備を支えてきたDF黒沢誓哉(同)が累積警告で出場停止。2人のセンターバックを欠く中で守備陣が奮闘、帝京長岡(新潟)を完封してみせた。

 本来は右サイドバックの高橋海大(かいと)(同)が右サイドハーフ、ボランチの大川健(同)がセンターバックに入るなど、複数の選手が本職とは違うポジションでの出場を強いられた一戦。「集中しよう」「しっかり声を掛け合おう」。守備を手厚くした後半は攻め込まれる時間が長くなったが、ピッチ上の選手たちの声は途切れなかった。「うちらしいサッカーではなかった。それでも勝ちにいった」と仲村浩二監督。最後は中盤も含めた選手たちが身を投げ出し、前半に奪った1点を守り抜いた。

 「個々の能力が高く、試合中に意見がぶつかり合うことも多かった。集中力を欠くこともあった」。大川はこれまでのチームを振り返る。優勝を狙った昨夏の全国高校総体では、2回戦で東山(京都)に敗退。勝負所で勝ち切る力がなく、苦杯をなめてきた。

 そんな選手たちの意識が変わる出来事があった。昨年12月に行われた高校生年代の最高峰・プレミアリーグ参入を懸けて戦った2試合だ。1戦目のJFAアカデミー福島戦で、退場に加え負傷者が出て9人になりながらPK戦で勝利をつかむと、続く横浜F・マリノス戦では「15回やって1回勝てればいい相手」(仲村監督)を撃破した。

 「能力がある分、自分のやりたいプレーに走って、わがままな選手が多かった。でも人数が少なかったり、厳しい戦いを通して『チームのために』という姿勢が見えるようになった」と仲村監督。「自己犠牲」をいとわなくなった選手たちは、東福岡や前橋育英(群馬)といった強豪を退けるなど、今大会で快進撃を続ける。

 「プレミアから一戦一戦成長している。チームも『集合体』になり、苦しい時間も耐え抜ける自信がある」と大川が手応えを語れば、「選手の成長が手に取って分かるぐらい、頼もしくなってきている」と指揮官。成長する尚志の視界に、目標の全国制覇が見えてきた。

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