実家の酒店に「タイ料理店」 伝統守り、新たな交流の場へ

  このエントリーをはてなブックマークに追加 
自慢のタイ料理を手に「みんながほっとする場所をつくりたい」と意気込む嶌さん

 「今までのお客さんを大切にしながら、新たな人も集まる店をつくりたい」。福島県いわき市常磐関船町で、100年以上続く橋本酒店の店内に、タイ料理店を開業した。伝統の家業を守りながら、市民の新たな交流の場にするのが目標だ。

 福島高専3年の時、国際ボランティアで初めてタイに渡った。約1週間、現地で交流活動などを行う中で、タイ語を話せない自分にも温かく接してくれる人々の優しさが印象に残った。

 酒店では4代目。元々跡を継ぐ予定はなかったが、2016(平成28)年に両親から打診があり、店を継ぐ決心をした。

 経営の知識はなかったが、DJを招いた定期的な音楽イベントやフリーマーケットを開くと、親子連れなど新規客が増えた。タイ料理を飲食するついでに酒を買い、酒を買いに来た客が料理を食べていく相乗効果も生まれた。「狙い通り」と思った。

 交流する場が昔から好きだった。店で出会った人たちが友達になり、親交を深める姿を見るとやりがいを感じる。来店してくれた一人一人と丁寧に接している両親を手本に、子育てなどの悩みを抱える若い親の相談に乗ることもある。

 2月24日には料理店や雑貨店などタイに関する市内外の事業者を集めた「タイフェスいわき」を開く。タイの文化を発信しながら交流の輪を広げることが今の目標だ。「人のつながりを大切にし、みんながほっとする場所にしたい」と、タイで経験した人の温かさを胸に、多くの世代や立場の人が交流する店を目指す。

 嶌千明(しま・ちあき)さん いわき市出身。同市の実家に戻り、2017(平成29)年9月から酒店とタイ料理店を合わせた「橋本酒店 コミュニティカフェ&バー」を営む。