「須賀川愛」声に乗せ 災害FM話し手、ウルトラFMで復活へ

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ウルトラFMのパーソナリティーとなり、本番に向け練習する大関さん。古里・須賀川への愛を声に乗せて、情報を発信する

 つながる心、広がる絆。こちらは「すかがわさいがいFM」です―。東日本大震災直後の混乱の中、福島県須賀川市の臨時災害用FMで市民に情報と元気を届けた大関由美子さん(56)が、11日に開局する同市のコミュニティーFM「ウルトラFM」のパーソナリティーとして復活する。古里・須賀川への愛を声に乗せ、市民に再び生活情報を発信する。

 臨時災害用FM「すかがわさいがいFM」は、震災と東京電力福島第1原発事故後の2011(平成23)年4月上旬、市民有志によって市内のホテル10階の一室に開局。2カ月間にわたり、被災状況や放射線の情報、生活に奮闘する市民の声を発信し続けた。司会業を営む大関さんは、自宅が半壊し郡山市に避難していたが、知人の依頼で「自分にできることがあれば」と、話し手として同FMへの参加を決めた。

 放送機材を寄せ集めた室内。窓から見える光景は、損壊しブルーシートに覆われた古里。「元に戻る日が来るのか」。希望の光は見いだせなかったが、ニュースを伝え、放射線量や罹災(りさい)証明書の取得法、災害ごみの出し方などの生活情報を発信した。取材に出向き、原発事故による放射線の影響を心配する農家の姿も紹介した。放送中に大きな余震に襲われれば、機材を押さえながら地震の発生を知らせた。

 「現状を伝えることが第一。あえて感情を差し挟まないようにした」。世界各地から寄せられた応援メッセージを読み上げた際は、抑えていた思いが涙となってあふれ出たこともあった。「ごめんなさい。音楽に切り替えてください」

 一般市民も放送に加わり、元気な姿を報告したり、楽器の演奏を披露するなど番組を盛り上げた。2カ月間の放送が終わり「須賀川をどれだけ好きだったか、人は一人では生きていけないと改めて実感した」という大関さん。「古里に恩返しがしたい」とウルトラFMでの復活を決めた。

 大関さんは「サンライズすかがわ」(平日午前7時~同9時)の月曜日を担当。地元ニュースや市政情報など生活に密着した話題を提供する。「1週間の始まりに元気になれる、ほっとできる番組にしたい」。市民と共に苦難を乗り越えた大関さん。その声はきっと、市民の一層の絆を育んでくれる。

 ◆交流センター11日オープン

 ウルトラFMが入居する須賀川市民交流センター「tette(てって)」(同市中町)は11日、開館する。午前10時から、tetteでオープニングセレモニーが行われる。また、市がtette5階に整備した「円谷英二ミュージアム」も同日、オープンする。