ゴールへ軌跡描いた尚志3人「パスワーク」 全国高校サッカー

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ゴールを決め喜ぶ尚志のFW染野〈9〉とFW伊藤〈10〉=埼玉スタジアム

 サッカーの第97回全国高校選手権第6日は12日、さいたま市の埼玉スタジアムで準決勝が行われ、本県代表で5年連続10度目出場の尚志は前々回覇者の青森山田と対戦、3―3と前後半90分を戦い終えた末のPK戦で2―4で敗れた。

 「一つの絵を描けていた」。後半30分、尚志の3人が流れるようなパスワークから生み出した3点目は、練習の中で磨き上げてきた伝統のパスサッカーを象徴するゴールだった。

 敵陣中央でボールを受けたFW伊藤綾汰(りょうた)(3年)が前を向いた。「前線でためをつくり(相手)DFを引き付けられた。スイッチを入れるのが自分の役目」。昨年12月に盲腸で入院、準々決勝まで途中出場だった伊藤はこの試合が初先発だった。前半から攻撃をリードした伊藤の縦パスから美しいゴールへの軌跡が描かれた。

 右サイドから中央に寄ったMF加瀬直輝(3年)は迷わずにダイレクトパスを選択。「流れの中でDFの裏をかくパスコースをずっと考えていた」と加瀬。CBと右サイドバックの間のスペースに絶妙なパスを供給した。

 走り込んだのはFW染野唯月(いつき)(2年)。「伊藤さんが前線でボールを持った時からパスが来ると信じていた」とDFラインの空いたスペースを狙った。伊藤、加瀬を経由して届いたボール。後はゴールへ流し込むだけだった。3人がベンチに駆け寄ると、控えの選手を交え大きな輪が生まれた。「どんなに速いプレスを受けても、つなぐパスサッカーをやり続ける」。

 仲村浩二監督は、負けはしたものの「スタイルは変えない」と言い切る。7年前に県勢初の4強入りを決めた埼玉スタジアムで再び体現した尚志らしさ。このパスサッカーで全国の頂点をつかみ取る。