尚志FW・染野が準決勝『ハットトリック』 全国高校サッカー

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【尚志―青森山田】前半26分。沼田皇海の右からのFKに反応し直接流し込む、技ありのシュートで先制弾=埼玉スタジアム

 「自分たちの分も全国制覇をしてくれ」。さいたま市で12日行われたサッカーの全国高校選手権。尚志は17歳以下日本代表のFW染野唯月(いつき)(2年)の3点を奪う活躍で、決勝まであと一歩に迫った。今大会でチームを去る3年生は、夢の続きを2年生エースに託した。

 3回戦、準々決勝と大舞台になるほど、染野の得点への嗅覚は研ぎ澄まされた。前半、FKに直接合わせて3試合連続ゴールとなる先制弾。逆転された後半23分にはMF加瀬直輝(3年)からボールを受け、4人に囲まれながらも絶妙な切り返しから左足を一閃(いっせん)。「イメージ通り」という同点ゴールで相手に傾いた流れを再び引き戻した。

 「自分のゴールでチームを勝たせたかった」と、7分後には加瀬のスルーパスに反応。いずれも異なる形からのゴールで、その底知れない能力を見せつけた。

 得点にばかり注目が集まるが、守備での貢献もチームを支えた。「(これまでは)悪く言えばわがままな選手。2―3で負けても得点すれば満足する。しかし今大会は相手DFに、しっかり体を張ってくれたことが大きい」と仲村浩二監督。「全ては3年生のために」。先輩の最後の舞台で真のストライカーへ変貌を遂げた。

 前線から相手DFにプレッシャーを掛け、足を止めることなく献身的にチームのために走った。その姿勢は3年生にも伝わった。MFの坂下健将(同)が「すごく成長した」と太鼓判を押せば、主将のMF大川健(同)も「染野が前で走る分、後ろで踏ん張らないといけないと思えた」。染野の成長はチームの成長になり、躍進につながった。

 平成最後の選手権で5得点と鮮烈な印象を残した染野。「もっとすごい選手になって、4強超えを果たして」と加瀬はその可能性を信じる。染野は「チームを勢いづけるゴールや、勝負強さをこの1年で身に付けたい」。3年生の流した涙に成長を誓った。