【見えた頂点!尚志サッカー全国3位】夢じゃない『全国制覇』

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2―2の同点で迎えた後半30分、FW染野唯月選手(2年、背番号〈9〉)が勝ち越しゴールを決め、喜ぶベンチの選手たち

 サッカーの第97回全国高校選手権で7年ぶり2度目の3位となった尚志。12日の準決勝では、優勝候補筆頭の呼び声も高い青森山田と互角以上の戦いを演じ、県勢初の決勝進出が目の前にまで迫った。全国制覇まで「あと2勝」。本県サッカー界に新たな足跡を刻んだ尚志の戦いを振り返る。

 「自分たちのサッカーを90分間やりきった」。3―3の同点でPK戦に及ぶ激戦となった準決勝から一夜明け、母校に戻った尚志イレブンは胸を張った。

 7年前と違う「4強」

 J2岐阜の山岸祐也らを擁して県勢初の4強入りを果たした7年前の第90回大会。その準決勝は四日市中央工(三重)を相手に1―6で敗れ、涙をのんだ。「東日本大震災があり、チームの力というよりも県民に力を貸してもらってつかんだ4強だった」と仲村浩二監督は振り返る。

 今大会はひと味違った。17歳以下日本代表のFW染野唯月(いつき)(2年)をはじめ、MF加瀬直輝(3年)、DF沼田皇海(すかい)(同)ら有望選手がそろい、大会前には仲村監督に「史上最強」と言わしめた。「最初から全国制覇を狙っていた。『最後のロッカールームを笑って出よう』と目標にしてきた」(仲村監督)。優勝候補にも挙げられた、東福岡や前橋育英(群馬)など全国の強豪を次々と破って勝ち上がったその実力は本物だった。

 青森山田と互角以上

 個人技と身体能力を前面に攻める青森山田との準決勝では、ぶれずにパスサッカーで攻め抜き真骨頂を見せた。特に2、3点目は相手のプレッシャーを上回る連動性の高いパス交換から、今大会1失点と堅守を誇っていた相手守備陣を完全に崩し、ゴールを奪ってみせた。

 指揮官は「自分たちのつなぐサッカーをやるぞと言ってきた。青森山田にも逃げずに流動的にやることができた」と強調し、主将の大川健(同)は「(持ち味の)パスサッカーが通用した。やってきたことは正しかった」と、全国の強豪相手に確かな手応えを感じ取った。「正直どっちに転んでもおかしくない内容だった」。PK戦を制した青森山田の黒田剛監督にも、尚志のサッカーは少なからず衝撃を与えた。

 頂点にはたどり着かなかった。それでも大きな成長を遂げた選手たち。目標に掲げた「全国制覇」が単なる夢物語ではないことを証明した。