富岡でAI活用し「有機米」栽培 営農再開へ東京農工大と協定

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協定を結んだ宮本町長(右)と千葉院長

 富岡町と東京農工大は4月から、同町の水田で人工知能(AI)を活用した有機栽培米の生産に取り組む。東京電力福島第1原発事故で避難生活を送り、町外から同町へ通って農業を続ける農家らの負担低減につなげ、営農再開を後押しする。

 17日、町と同大が農業振興に関する協定を結んだ。同大によると、AIを活用することで稲の生育に適切な水の量を自動で管理することが可能となる。水田にカメラを設置し、避難先からスマートフォンなどで稲の生育状況をいつでも確認できる仕組みも整える。同町の水田約0.6ヘクタールで試験的に導入する。

 生産するコメは、同大が開発した風で倒れにくい丈夫なコシヒカリや県オリジナル水稲品種「天のつぶ」。微生物を利用したバイオ肥料などを使って育てる。有機栽培米は高値で取引されるため、農家の所得向上につなげる。同大大学院の大川泰一郎教授は「避難先から通う人でもできる限り手間を省いて有機栽培できる仕組みを構築したい」としている。

 町によると、町内の水稲の作付面積は原発事故前の2010(平成22)年度の約800ヘクタールに対し、18年度は約10ヘクタールにとどまる。町役場で行われた協定締結式で宮本皓一町長は「先進技術の開発により農業の復興が進むことを期待している」と話した。同大大学院の千葉一裕農学研究院長は「地域のさまざま困難を乗り越えていくことで大学の役目を果たしていきたい」と誓った。