JR常磐線「夜ノ森駅舎」解体に着手 自由通路、待合室整備へ

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解体が始まった夜ノ森駅舎

 富岡町とJR東日本は21日、東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域となっている同町夜の森地区のJR常磐線夜ノ森駅舎の解体に着手した。100年近くにわたり町民の生活を支えてきた駅舎が現在の姿をとどめる最後の日となった。

 町が同日、報道陣に解体作業を公開した。同駅は1921(大正10)年に開設。瓦屋根の木造平屋建て約100平方メートルの駅舎は、現在までほぼ当時の姿が保たれている。原発事故前はホーム脇に約6000株のツツジが咲き誇り、駅周辺には町のシンボルの桜並木も広がるなど観光客の玄関口となっていた。

 原発事故で人の立ち入りが制限されてから8年近くが経過し、駅舎の劣化が進んだ。除染しても屋根や柱などの放射線量が十分に下がらない可能性もあり、町とJR東が解体を決めた。

 解体は3月末までに終了する予定。同日は作業員約10人が駅舎周辺にバリケードを設置し、足場を組むなど解体の準備を進めた。

 解体後、町とJR東は現在の駅舎がある東口と西口を結ぶ自由通路を設け、橋上駅とする。現在の駅舎をモチーフにした待合室や駅前広場も整備する。JRは2020年3月までの常磐線全線開通を目指している。駅舎の看板や時刻表、ポスターなどは町が同年度の開所を目指す独自のアーカイブ施設に展示される予定。