帰還困難区域狙い...空き巣「500件入った」 容疑の男を書類送検

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双葉署が公開した被告の迷彩服やペンチ、ガラスを割るための工具

 東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域の住宅に盗み目的で侵入を繰り返したとして、双葉署と県警捜査3課は23日までに、邸宅侵入や盗みなどの疑いで本籍岐阜県恵那市、住所不定、無職、被告(64)=銃刀法違反の罪で公判中=を地検いわき支部に書類送検した。県警によると、被告は「人がいない場所で好き放題できた。約500件は入った」などと供述している。

 送検容疑は、昨年7月中旬ごろ、双葉町郡山の男性(46)方に侵入し、SDカードとボールペン(3300円相当)を盗むなどした疑い。

 県警によると、被告は2017(平成29)年9月~昨年10月にかけて計4回、楢葉町のJR竜田駅近くに借りた月決め駐車場に車を止め、徒歩で区域内に侵入。迷彩服姿にリュックを背負い、ペンチやガラスを割る工具のほか、毎回2~3週間分の食料を持ち込み区域内で生活していた。気に入った家で寝泊まりして衣服を洗ったり、家にあった飲食物を勝手に飲み食いしていたという。

 人目につきやすい幹線道路を避けて移動していたとみられ、住民から初めて被害届が出されたのは、被告が最初に区域内に侵入してから約1年後の昨年10月だった。届け出を受けた県警は、大熊町内に設置したカメラの映像などから被告を特定した。

 県警は同日までに被告が侵入した住宅約300件について裏付けを取った。内訳は大熊町179件、双葉町75件、富岡町45件、浪江町4件でほとんどが帰還困難区域内だった。女性用下着などが盗まれた家もあるが、ほとんどは何も取られていなかったという。浪江町の4件は避難指示が解除された地域で、被告が車を止めた竜田駅付近の駐車場から約23キロ離れていた。

 被告は昨年10月、大熊町熊字旭台で警察官から職務質問を受けた際、刃渡り約58センチの脇差し1本を振り抜いたとして、銃刀法違反の疑いで逮捕された。県警によると、この脇差しも盗品だったという。