被災地「営農」に先端技術 農水省支援、情報通信駆使し省力化

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 農林水産省は新年度、東京電力福島第1原発事故に伴い避難指示が出た地域での営農再開に向け、地域を先導する農業法人への総合的な支援制度を設ける方針を固めた。農業法人に情報通信技術(ICT)などを駆使した「スマート農業」の採用を促し、新たに主力となる作物の生産につなげる。営農再開の意向を持つ農業者が約4割にとどまる中、「稼げる農業」を後押しする。

 地域に営農再開の拠点となるような大規模農地を集積し、作付面積は水稲50ヘクタール以上、園芸作物10ヘクタール以上を見込む。

 営農を再開しない生産者の農地を含め、農地を管理する農業法人に対し、ICTを使った作業の負担軽減や省力化を促す。具体的には、小型無人機(ドローン)を使い効率的に作物の生育を管理するなど、先端技術の活用を進める。

 主力となる作物の出荷を後押しするため、農業法人の連携先として地元市町村やJA、機械メーカー、流通業者らによる共同事業体(コンソーシアム)をつくり、生産から流通まで一貫した体制も構築する。

 県によると、避難指示が出た12市町村などで営農を再開した農地面積は、昨年3月末時点で震災前の約1万7000ヘクタールのうち4600ヘクタールにとどまっている。原発事故の被災地で営農再開が進んでいない背景には、担い手不足がある。

 このため農水省は対策強化が必要と判断し、県が基金化した営農再開支援事業への財政支援の枠組みを拡充する。

 農業法人への補助は1年目が1地区当たり5000万円を上限とし、2年目が2000万円と設定。農業法人の成果について県が開く検討会も支援し、先進的な取り組みの普及を図る。県は「先端技術を使った地域営農の核となる新たな経営体を育てたい」(農業振興課)としている。