「小高病院」入院機能再開へ 策定委素案、人材確保の条件付き

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 南相馬市の医療関係者らでつくる市立病院改革プラン策定委員会は30日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に伴い休止している市立小高病院(小高区)の入院機能について「当面は市立総合病院(原町区)のサテライト診療所とし、医師確保などの課題を解決した上で、19床の有床診療所として再編する」との素案をまとめた。市は素案を踏まえ、課題を解決した上で入院機能を再開させる方針。

 素案では、99床あった小高病院の入院機能を19床に縮小し、総合病院との連携、在宅医療の強化を図るとした。条件として、〈1〉医師や看護師らの人材確保策を明確にする〈2〉市財政の負担額縮小を図る計画の策定〈3〉中長期的に介護サービスなどの機能を担う施設も想定した計画の策定―の三つの対応を求めた。総合病院は70床増の300床とすることも盛り込んだ。

 小高病院は震災と原発事故前、7診療科と99床を備えていた。2014(平成26)年に外来診療を再開させたが、入院機能は震災による建物の損壊や医療従事者不足により休止している。

 同病院の入院医療を巡っては、前市長が医療従事者不足や財政赤字などを理由に17年12月の市議会で「小高病院の99床を総合病院に移管、小高病院を無床診療所として再編」とする条例改正案を提出し、否決された。門馬和夫市長は前市長の方針を転換し、小高区内の入院機能再開に向けた協議を進めてきた。

 素案は2月上旬、策定委の樋口利行委員長が門馬市長に提出する。市はその後、地域協議会やパブリックコメントなど、市民の意見を踏まえ素案を修正した上で、3月議会で市立病院再編案を報告する考え。

 南相馬市小高区の住民でつくる小高区地域協議会は小高病院の入院機能再開について、「医療人材や財源の確保ができない場合は再開を希望しない」などとする提言書を門馬市長に提出している。