元高校球児が夢の日本王者へ ボクシング・望月さんタイトル戦

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2日のタイトル戦に向けて意気込む望月さん

 本県ゆかりのボクサーが2日、初の日本タイトル戦に挑戦する。福島市の学法福島高で甲子園を目指した元高校球児の望月直樹さん(25)=横浜光ジム=は「念願のタイトル戦。ここで負けるわけにはいかない。福島にベルトを持って帰る」と意気込む。

 挑戦するのは日本チャンピオンを決めるフライ級王座決定戦。都内の後楽園ホールで行われる。横浜市出身の望月さんは、320キロ離れた同校に「野球留学」し、本県で3年間を過ごした。

 「福島で過ごした高校生活が今の僕をつくっているんです」。第二の故郷に吉報を届けようと、厳しいトレーニングに励んでいる。

 2013(平成25)年にプロデビューし、現在の戦績は15勝3敗で日本ランキングは2位。直近の2試合で連勝し、日本タイトル戦へ弾みをつけた。

 なぜ、ボクサーを目指したのか。高校卒業後「このまま終わりたくない」と思ったから。甲子園に憧れた高校時代はレギュラーに定着できず、思い描いたような結果を得ることができなかった。

 "消化"しきれなかった高校時代の「悔しさ」がプロボクサーの道へと導く。高校卒業後、地元の神奈川県に戻り、潤滑油の製造工場に就職、ボクシングジムに入門した。きっかけはボクシング漫画「はじめの一歩」だった。

 漫画では、いじめられっ子の少年が才能を見いだされ、フェザー級の日本王者まで駆け上がる。悔しさを抱えていた高校時代に読み「ボクシングなら花を咲かせられるかもしれない」と思った。主人公と自分を重ね合わせた。

 プロボクシングは勝つか負けるかの厳しい世界。減量とトレーニングの繰り返しだ。心の支えは高校2年の時の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の経験。「生きているのは当たり前ではないと実感した。時間を無駄にせず、一つ一つを大事にしようと決めた」

 ボクシングを始めて7年。黙々とトレーニングを重ねるうちに、夢に描いた日本王者にあと一歩に迫った。対戦相手は17戦全勝で若手のホープといわれる中谷潤人選手。「勝つイメージはできている。得意の右ストレートや左フックを有効に使う」。福島への恩返しの気持ちを胸に、リングに上がる。