福島県産米の全量全袋検査...「継続」5割未満 県内消費者の声

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 県消費者団体連絡協議会が昨年実施した県内の消費者対象のアンケートで、東京電力福島第1原発事故後に県内全域で行われているコメの全量全袋検査について、今後も継続を望む人は650人(46.4%)となり、2015(平成27)年の調査開始以来、初めて5割を下回った。継続を望む割合は17年比で19.8ポイント減だった。同協議会が4日、福島市で県に調査結果を報告した。

 コメの全量全袋検査について、県は昨年3月、食品に含まれる放射性セシウムの基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超えるコメが通算5年間出ないことを条件に、早ければ2020年産から抽出検査に移行する方針を示している。

 ただ、移行後の風評被害を懸念する声も根強く、消費者の理解が不可欠となっており、県は「今後も県産米の安全性が消費者に正確に伝わるよう情報を発信したい」(水田畑作課)としている。

 調査は昨年7~8月、大学生を含む10代以上の県民や会員1400人を対象に実施し、食や放射能、風評など9項目について聞いた。回収率は93%。

 全袋検査の継続に関する質問では、「農家ごとにサンプル検査」と「市町村単位でサンプル検査」を希望する人が計597人(42.6%)となり、17年比で12.4ポイント増だった。全袋検査の継続を望む人のうち、検査があと何年必要かを尋ねた質問では、「1~3年」が34%で17年より1ポイント増加した一方、「5~10年」は29%で6ポイント減少した。

 県やJAグループ福島などは原発事故以降、放射性物質の吸収抑制対策を徹底。全袋検査でも15年産から基準値超えゼロが続き、県産米の安全性に対する理解が深まっているとみられる。

 今回の調査では、約60億円を要する全袋検査の費用に関する項目も追加された。回答では「全袋検査ではなく抽出検査にし、費用を抑えるのがよい」が563人(40%)で最も多く、「高額費用でも安全確保のためにやむを得ない」が543人(39%)、「復興のため他の予算」が196人(14%)と続いた。

 県は今夏にも抽出検査の枠組みを政府と協議する意向で、移行条件をクリアした場合は政府が20年3月ごろに枠組みを正式決定する。同協議会の田崎由子事務局長は「全袋検査に不安が残っている県外者への対応も含め慎重に変化させていくことが必要」と語った。