小高病院唯一の常勤医が退職届 入院機能再開を巡り市長と相違

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 南相馬市の門馬和夫市長が目指す市立小高病院の入院機能再開を巡り、同病院の管理者で唯一の常勤医を務める藤井宏二医師(63)が、市に退職届を提出したことが8日、分かった。藤井医師は「医療過疎地域で入院機能を再開させることは非現実的」とし、小高の医療の在り方について門馬市長の考えと相違があることが理由としている。

 藤井医師は入院機能の再開を望む患者はいないとし、「在宅医療など新たな診療体制の充実を図る方が重要だ」と話し、3月いっぱいで退職する意向。

 市立病院改革プラン策定委員会が6日、医師確保などの条件付きで同病院の入院機能を再開させるとする市立病院病床再編計画の素案を門馬市長に提出。これを受けて、藤井医師は辞意を固め、市は7日に退職届を受け取った。

 市によると、医療法では病院の管理者を務める常勤医がいない場合は診療行為ができないとし、藤井医師が退職した場合、市は4月までに小高病院の常勤医を確保できなければ診療は休止となる。

 藤井医師は京都府から同市に移住し、2016(平成28)年4月に小高病院などの非常勤医として着任。翌17年4月から同病院の常勤医として勤務している。

 小高病院は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故前、7診療科と99床を備えていた。14年に外来診療を再開させた。入院機能は医療従事者不足などにより再開していないが、遠隔診療システム(オンライン診療)の運用など在宅医療の充実を図ってきた。同病院では現在、常勤の藤井医師のほか、非常勤の医師3人が診療に当たっている。

 門馬市長は8日、「(藤井医師に)引き続き小高の地域医療のためにご尽力いただけるようお願いしたい」とコメントを発表。管理者の任命権を持つ門馬市長は今後、藤井医師と話し合いを進めながら対応を検討する。