水道事業の民間委託...7割「導入しない」 59市町村アンケート

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 水道事業の広域化や民間への運営委託を進める改正水道法の成立を巡り、現段階で県内41市町村が民間委託を導入しない考えであることが10日、福島民友新聞社の59市町村へのアンケートで分かった。「導入する」と回答した市町村はなく、情報収集や先進事例の研究などが必要などとして、民間委託に慎重な自治体が大半だった。

 アンケートは市町村の担当部署を対象とし、全市町村から回答を得た。民間委託についてはこのほか「検討中」が8市町村、10市町村が無回答だった。

 「導入しない」と回答した南相馬市や小野町は、民間委託のメリットやデメリットについての検討が必要と指摘した。小規模事業体であることを踏まえ、「民間企業の参入は採算性や維持管理などを考慮すると難しい。先進事例があれば参考にしたい」(鏡石町)との意見もあった。

 海外での事例を踏まえ、民間委託によってサービスの質の低下や料金値上げを不安視する声も複数あった。金山町は、過疎化の進行や少子高齢化などから「民間による水道事業経営は不採算となる可能性が高い」、会津坂下町は災害や経営破綻時の運営体制、運営権者を監視する職員の育成などが課題とした。

 一方、「検討中」を選んだ西会津町は「将来、技術者不足なども考えられるため、検討項目の一つ」と回答。会津美里町は「老朽化した施設の更新などに必要な資金や人材確保、経費削減に有効な手段の一つ」として、民間委託ではなく、改正水道法の柱の一つである自治体間の広域連携を検討したいとした。

 無回答の自治体のうち福島市は民間委託について「企業としての経済性を発揮する手法の一つ」としたが、日常生活に直結する水道事業の重要性を合わせて指摘した。

 改正水道法は人口減少による経営環境の悪化や施設の老朽化対策など水道事業の基盤強化を目的に昨年12月の臨時国会で可決、成立した。自治体の広域連携と運営権を民間企業に売却する「コンセッション方式」の推進が柱で、12月までに施行される。

 広域連携の旗振り役を担う県は新年度、水道事業の基盤強化に関する計画策定について市町村と検討を始める。アンケート結果について県は「事業体の規模など状況はさまざまであり、判断を尊重したい」(食品生活衛生課)としている。

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