福島県は「医師少数県」 厚労省、県内3地域「少数区域」

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 医師が都市部に集中する偏在問題で、厚生労働省は18日、福島県など16県が、人口や診療需要に対して適正な医師数を確保できていない「医師少数県」となっていることを明らかにした。医師の総数は31万9千人と過去最高を更新している一方、都市部と地方の格差が鮮明となった。同省は、卒業後の一定期間地元で働く大学医学部の「地域枠」を重点配分するなどして、2036年度までに問題を解消したい考えだ。

 厚労省は今回、医師の充足状況を判断する目安として使われてきた「人口10万人当たりの医師数」に代わり、より実態に即した「医師偏在指標」を策定した。

 新たな指標をベースに都道府県や地域別の充足状況を数値化し、医師が十分充足されている上位16都府県を「医師多数都府県」、下位16県を少数県に位置付けた。最も医師が充足している東京は「329.0」で、最も不足している岩手は「1693」だった。

 さらに都道府県内の複数の市区町村がまとめて指定される「2次医療圏」に関しても、全国335カ所のうち、上位の3分の1の112カ所を「多数区域」、下位の3分の1の112カ所を「少数区域」とした。本県では「会津・南会津」「県南」「相双」の3地域が少数区域となった。2次医療圏で最も充足しているのは東京都の千代田区などで構成される「区中央部」(7597)。最も不足しているのは秋田県の「北秋田」(696)で、全国平均は都道府県、2次医療圏ともに「2383」だった。

 新指標は、住民の年齢や性別から導き出される受診率、医師の年齢などから推定される労働量、患者の流出入状況などのデータを基に算出。医師の供給状況を反映させるため、今後3年ごとに見直す。

 ◆全国ワースト4位 医師偏在示す新指標

 「医師少数県」に位置付けられた本県の指標は1774で、全国で4番目に低い。県は「震災前から本県の医師は少なく、厳しい状況」(医療人材対策室)とし、国による医師の適正配置を求める。新年度には県の医師確保計画を策定する方針で、具体的な目標や対策を盛り込み、回復を図りたい考えだ。

 県内六つの2次医療圏別では、会津・南会津が1423、県南が1330、相双が917で少数区域に指定された。一方、福島医大がある県北が2489で多数区域となり、県中は1859、いわきは1561だった。相双は、原発事故で避難指示が出るなどした12市町村の医療機関の稼働状況が、震災前の3分の1程度に減少したことなども要因とみられる。

 医師確保に向け県は、県内の公的医療機関に一定期間勤務すると返済が免除される奨学金制度を設けているほか、福島医大の医師の採用枠を増やす取り組みを実施。担い手不足が課題となっている診療所の後継者確保に向けては、県医師会内に「医業承継バンク」を新設し、開業医とのマッチングを行っている。県の担当者は「奨学金を活用した医師が徐々に育っており、医師不足解消につながると期待している」と話す。

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