枯死の危機...「泉の一葉マツ」子孫残す 南相馬で後継樹を植樹

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県指定天然記念物の「泉の一葉マツ」=南相馬市原町区泉地区

 南相馬市原町区泉地区にあり、地元で愛されてきた県指定天然記念物の「泉の一葉マツ」を残そうと、市と住友林業(東京都)が21日、後継樹の植樹式を現地で行った。一葉マツは東日本大震災の津波による塩害や松食い虫の被害で、将来的に枯死する可能性が高いことが分かり、子孫を残す取り組みが進められてきた。関係者は「地域に愛されながら育ってほしい」と願いを込めた。

 推定樹齢約400年の一葉マツは高さ約8メートル、枝張り約14メートルのクロマツ。通常、クロマツの針葉は2本だが、一葉マツは1本の葉が交じり学術的に希少とされており、1955(昭和30)年12月に県指定天然記念物となった。同社によると、南相馬市を含め東京都と京都府の計3カ所でしか発見例がなく、担当者は「なぜ一葉なのか解明されていない。突然変異した母の遺伝子が種を通じて子に伝わることが興味深い」としている。

 2013(平成25)年に、地元住民から「一葉マツが枯れそうだ」と報告を受けた市教委が、岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」の増殖で実績のあった住友林業に後継樹の育成を依頼。同社は一葉マツの松ぼっくりから採った種で発芽に成功した。21個の種をまき、14本が発芽し、うち4本で一葉が確認されたという。

 一葉マツの近くにある市有地に、一葉を持つ苗木2本を植樹した。門馬和夫市長と中村健太郎同社資源環境本部森林・緑化研究センター長らが苗木に砂をかけ、水をまいた。

 門馬市長は「新たな地域の文化遺産として大切に育てていきたい」と感謝の言葉を述べた。中村センター長は「まだまだ若い木なので皆さんに愛されて育ってくれたらうれしい」と話した。市が今後、2本の苗木を管理、生育する。

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