熟成遅らせ果実の保存 「テックプラン」最優秀、内田教授考案

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最優秀賞を受けた内田教授(前列右から3人目)

 福島高専の内田修司教授(57)は、トマトの茎に含まれる成分を活用し、果実の熟成を遅らせるパッケージの製品化アイデアを考案した。内田教授は「トマトの茎は農家では何にも使えない邪魔ものだったが、その茎の利用価値を示すことで、トマトを作る側と茎を利用する側両方にとってプラスになる」と話している。

 内田教授は家庭菜園で収穫したトマトを観察し、茎の近くに置いておいたトマトは、そうでないものと比較して赤くなるのが遅いと気付いた。実験では、トマトの茎に果実の熟成を進める物質「エチレン」を吸着する成分が含まれていることが分かった。

 あかい菜園(いわき市)とエコハイテクコーポレーション(同)と協力しながら研究を進め、トマトの茎から抽出した成分を含ませたフルーツキャップを使用することで、モモの熟成を遅らせることができると実証した。エチレンによって熟成が進む果実にはモモのほかリンゴやナシ、メロンなどがあり、幅広い応用が見込めるという。

 内田教授は今月上旬、福島市で開かれた起業家の発掘、育成を目的とした創業支援プログラム「福島テックプラングランプリ」でアイデアを発表し、最優秀賞に選ばれた。同研究は最優秀賞のほか、各企業が贈るクレハ賞とDNP賞も受け、トリプル受賞となった。支援プログラムは県の主催で、研究開発型起業の発掘や育成に取り組むリバネス(東京都)と県内の研究機関などでつくる「アカデミア・コンソーシアムふくしま」が、県の「リーディング起業家創出事業」の委託を受けて実施された。