「小峰城」完全復活へ技術結集 白河・4月21日に修復完了宣言

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4月21日に「修復完了宣言」が行われる見通しとなった小峰城跡=19年2月

 東日本大震災で約7000個の石垣が崩落した、白河市の国指定史跡「小峰城跡」の修復工事が間もなく完了する。市は4月21日の「白河小峰城さくらまつり」で、鈴木和夫市長による「修復完了宣言」を行う方向で調整しており、震災から丸8年を経て、白河のシンボルが復興の時を迎える。

 修復工事で石工職人をまとめた藤造園建設=横浜市=の池田真人さん(42)は現場に初めて入った2013(平成25)年秋、崩落を目の当たりにし、心の中は不安で占められた。「『未知への挑戦』という心境。白河のシンボルをどうにかして復興させたいと開き直った」

 石垣に使用される「白河石」の性質を知ることから始まった作業は、「性質に慣れなければ誤差が出る。文化財としての石垣修復の難しさを感じた」。全国から集まった石工職人は延べ約90人。「職人の技が結集して完成した」と胸を張る池田さんは「修復が終わっても、石垣を見守るのが石工。これからも白河、福島を見ている」とエールを送る。

 市にとっても、震災の混乱の中で手探りの修復事業だった。だが、中心的役割を果たした市建設部理事・部次長の鈴木功さん(57)は「『文化財としての石垣』の修復は強化ではなく、元の姿に修復すること」と意義を強調。「最新の技術を駆使すれば頑丈な石垣ができたはず。現代の石工たちと意見をぶつけ合ったこともあった」と事業の苦労を明かす。

 全国で災害が相次ぐ中、市の取り組みは各地に波及。地震や豪雨で崩落した熊本城(熊本県)や丸亀城(香川県)の石垣修復に対する保存や調査方法に関する情報提供を行っている。修復完了を機に、鈴木さんは「文化財の分野だけでなく、防災の観点からさまざま対応ができることが分かった。白河での経験を生かしたい」と決意を新たにした。

 修復に「石材カルテ」

 小峰城跡の石垣は、震災の影響で2011(平成23)年4月までに計10カ所、延べ約1500平方メートルが崩落した。修復作業では、石垣一つ一つに対して健全度判定などをする「石材カルテ」を作成。崩落した石材は文献や過去の写真を参考に、可能な限り江戸時代の工法で崩落前の姿に復元した。総事業費は本年度末までに約50億円に上る。

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