受精遺伝子に代替機能 福島医大解明、男性不妊治療への応用期待

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 福島医大医学部付属生体情報伝達研究所の井上直和准教授(44)と斎藤貴子助教(35)、和田郁夫教授(61)の研究グループは、精子の表面に存在する受精に必須のタンパク質「IZUMO(イズモ)1」のこれまで知られていなかった働きを解明した。マウスを使った実験で、IZUMO1遺伝子が病気などの理由でうまく働かないとき、代わりに機能する第2のIZUMO1遺伝子がその役割を果たしていることを明らかにした。

 研究成果が28日、ネイチャーのグループ誌である英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。井上准教授は「人にも同様のバックアップシステムが存在する可能性があり、一部の男性不妊症の治療薬開発などにつながるかもしれない」と語った。

 哺乳類では、IZUMO1と卵子表面のタンパク質「JUNO(ジュノー)」が互いを認識することで受精が成立する。当初、オリジナルのIZUMO1遺伝子を消した遺伝子編集マウスは不妊になると予想されていたが、実際には構造が同じで転写の開始地点が異なる第2のIZUMO1遺伝子が微量に存在し、受精が行われた。

 遺伝子操作をしていないマウスが1匹当たり9.57匹の子どもを産んだのに対し、第2のIZUMO1遺伝子のみのマウスでは671匹の子どもが生まれた。

 井上准教授は「受精にバックアップシステムがあることは当初予想しておらず、ひょうたんから駒のような研究。今後新しい不妊治療法や避妊薬など大きな成果に結び付く可能性もある」としている。

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