障害ある人も、ない人も暮らしやすく...「差別解消」施策強化へ

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 県は新年度、障害者の差別解消や社会参加の促進に向けた取り組みを強化する。差別解消では、障害者の差別行為について相談を受ける専門職員を県障がい福祉課内に配置するほか、相談で解決が図れない場合に備え、助言やあっせんを行う外部機関「障がい者差別解消調整委員会」を設置し、県民生活への知識や意識の普及を図る。

 障害者の差別解消を目的とした「障がいのある人もない人も共に暮らしやすい県づくり条例」が4月に施行されることを踏まえ、県は差別に関する相談体制を充実させる。県障がい福祉課に配置する専門職員は社会福祉士ら専門資格を有する人材を採用する方針。有識者らで組織する同調整委員会では、例えば、盲導犬を同伴した障害者の利用拒否などを続ける事業者に対し、助言やあっせん申し立てを行う。あっせんに応じない場合は勧告や事業者名を公表する。

 また、障害者の社会参加の促進では、新年度、新たに脳梗塞などで言語障害が生じた失語症の人の意思疎通を助ける支援者の養成に乗り出す。具体的には、県言語聴覚士会の専門家が講師を務め、支援者に知識や技術を伝える。2020年度以降は、県が養成した支援者を各地で派遣し、意思疎通を手助けする。

 県条例の制定や障害者差別解消の取り組みを強化する背景には、障害者への偏見に伴う差別事例が全国的に存在する現実がある。県によると、県内では盲導犬同伴でのタクシー乗車を拒まれたり、障害者への対応の不安からスイミングスクールのバス利用を拒否されたりするケースがある。このため県は、障害の有無にかかわらず共生できる社会の実現を目指し、市町村と連携して総合的な施策を推進する。

 県は「意識せずに差別してしまっている場合もある。(健常者と障害者が)互いに理解し合える社会づくりに取り組む」(障がい福祉課)としている。

 また、手話の普及に向けた県手話言語条例も4月に施行され、県が手話通訳士の養成などを進める。