「復興庁後継設置」明記 基本方針見直し、内閣府移管軸に検討

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 東日本大震災から丸8年となるのを前に、政府は8日の閣議で復興の基本方針の見直しを決定した。2021年3月で廃止される復興庁の後継組織の設置を初めて明記。具体像の明示は先送りしたが、復興施策で各省庁を束ねる司令塔の機能を引き継ぎ、担当相を置く方向で検討することを示唆した。政府、与党内で今後、首相直属の現行の機関から、内閣府への移管を軸に検討が進む見通し。

 後継組織を巡っては基本方針に「省庁の縦割りを排し、政治の責任とリーダーシップの下で復興を成し遂げるための組織を置く」と盛り込む一方、具体像に関し「復興・創生期間後(21年4月以降)も必要な事業を確実に実施できるよう検討する」と記すにとどまった。

 安倍晋三首相は閣議に先立ち、官邸で開かれた復興推進会議で「復興・創生期間後も必要な事業の具体化に取り組んでほしい」と述べ、後継組織の具体化と併せ各閣僚に対応を指示した。安倍首相は8日に福島民友新聞社など被災3県の地方紙4紙による合同インタビューに応じた。4紙は代表質問で被災地の意見として後継組織に担当相を置くよう強く主張したが、首相は設置を明言しなかった。

 政府、与党内では、閣僚を後継組織のトップとした上で、金融庁と同じような内閣府外局とする案や、省庁間の調整を担う部局(内局)とする案などが浮かんでいる。政府は、与党が今夏にまとめる復興の8次提言を踏まえて具体像の検討を本格化し、来年の通常国会に関連法案を提出する。

 基本方針では、東京電力福島第1原発事故の対応は廃炉・汚染水対策を含め中長期的に国が責任を持つとした上で、本県の復興・再生には「引き続き、国が前面に立って取り組む」と確約した。地震、津波の被災地域では21年4月以降も心のケアや被災した子どもへの支援などのソフト事業を続け、インフラ事業も一定期間は対応するとした。

 原子力災害の被災地域では、住民の帰還を促す環境整備や農林水産業の再生、風評対策、浜通りに新産業を集積する福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の具体化などを重点施策に挙げた。

 基本方針は11年7月に策定された。政府は16年3月の改定で、16~20年度を復興・創生期間と位置付け、3年後をめどに見直す考えを示していた。