復興庁後継...縦割り排し政治に責任 安倍晋三首相インタビュー

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「先頭に立って県産品の安全性を発信する努力を続ける」と語る安倍首相=官邸(代表撮影)

 東日本大震災から丸8年となるのを前に、安倍晋三首相は8日、福島民友新聞社の小野広司編集局長ら被災3県の地方紙4紙の編集局長による合同インタビューで、東京電力福島第1原発事故による風評払拭(ふっしょく)に向け県産品の魅力の発信に力を注ぐ考えを示した。

 ―復興の基本方針の見直しで復興庁の後継組織設置を明記する一方、組織の位置付けが明確ではない。担当相の配置や、専任か兼任かも結論を示していない。政治の責任とリーダーシップを発揮するには復興の司令塔として強力な役割と権限が望ましい。復興・創生期間後を見据えた考えは。
 「復興庁の後継組織については各省庁の縦割りを排し、政治の責任とリーダーシップの下で復興を成し遂げるための組織を置く。復興・創生期間後も対応が必要な事業を確実に実施できるよう具体的な在り方を検討する」

 ―原発事故を教訓とした放射線教育について各省庁の施策から全力で取り組む姿勢が伝わらない。風評対策を含め、どのようにリーダーシップを発揮するか。
 「子どもたちの放射線に関する理解を深めることが重要。いじめ防止の記載の拡充など、放射線教育の副読本を改訂した。風評払拭は福島の復興・再生の大前提。最も説得力を持つのは、福島に足を運び、おいしい農林水産物を食べてもらい、福島の今を実感してもらうこと。私は官邸で毎日、県産米を食べ、相馬のヒラメやなみえ焼そば、小名浜のウニの貝焼きなどもいただいた。復興の進捗(しんちょく)状況や県産品の安全性を発信する努力を続けていく」

 ―仮設住宅から災害公営住宅などへの移転に伴い、コミュニティーの断絶が新たな課題だ。
 「自治体の取り組みを支援するほか、民生児童委員が地域で安心して活動できるよう対応する。支援の在り方を検討する」

 ―沿岸部の中小企業で事業再開後に経営が悪化する事例がある。今後の支援は。
 「成功事例の横展開のほか、被災地企業の販路開拓や新商品開発への支援、学生のインターンシップや専門人材の派遣により、なりわいの復興を支援していく」

 ―東電は福島第2原発1~4号機の廃炉検討を表明したが、決定していない。政府として廃炉を明確に打ち出すべきではないか。
 「東電の小早川智明社長が『できるだけ早期に結論を出す』と発言した。地元の思いを受け止め、そう遅くない時期に判断されると認識している。東電が責任を持って廃炉を早期に決定し、長期の廃炉作業を完遂するよう強く促す」