「じゃんがら」鎮魂の舞 双葉・中野で奉納、いつか山田で...

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「山田のじゃんがら念仏踊り」を奉納する山田芸能保存会の会員。周囲には、津波跡が色濃く残る=9日午前、双葉町

 東京電力福島第1原発事故に伴い全町避難が続く双葉町の山田芸能保存会は9日、避難指示解除準備区域の同町中野地区にある中野八幡神社で、亡くなった人の霊を供養する「じゃんがら念仏踊り」を奉納した。津波被災の爪痕が残る境内に、犠牲者の鎮魂や町の復興を祈るかねと太鼓の音が響き渡った。

 同保存会は2017(平成29)年3月から、町内で「山田のじゃんがら念仏踊り」を奉納している。17年は海岸、18年は海岸近くの駐車場と、できるだけ海に近い場所で奉納してきた。しかし、今年は海岸堤防や防災林の工事が本格化しているため、海岸から500メートルほど内陸部に入った同神社で奉納することとなった。

 保存会のメンバー16人のうち、鈴木慶一会長(54)ら5人が避難先のいわき市や埼玉県加須市から集まった。双葉町では、行方不明4人を含む21人が震災で亡くなり、152人が関連死に認定されている。浴衣に着替えたメンバーは、海の方を向いて献花し、黙とうをささげた。

 神社の周辺では、県の「アーカイブ拠点施設(震災記録施設)」や町の復興産業拠点の整備が進められている。メンバーがテンポよく打ち鳴らすかねや太鼓の音に混じり、重機の作業音やダンプの走行音など、復興へのつち音も響いた。

 じゃんがら念仏踊りの北限とされる「山田のじゃんがら念仏踊り」が伝わる山田地区は、沿岸部よりも西の地域にあり、帰還困難区域に指定されている。鈴木会長は「本当は山田で踊りたいが、あいにくまだ踊れない。それでも双葉でじゃんがらを奉納できるのは感慨深い」と語る。

 この日はじゃんがら念仏踊りの奉納前から、風が吹き始めた。太鼓をたたいたメンバー(58)は「この風に乗って、じゃんがらの音が山田まで届いたかな」と青空を見上げた。

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