遺族代表「勇気と励まし糧に」 福島県追悼式、哀悼の意ささげる

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式辞を述べる内堀知事

 県は11日、福島市のとうほう・みんなの文化センターで東日本大震災追悼復興祈念式を行い、関係者や一般参列者約390人が哀悼の意をささげた。

 遺族代表の言葉を述べた五十嵐ひで子さん(71)=相馬市=は、津波で夫の利雄さん=当時(67)と叔父の鉄弥さん=同(84)=を亡くした。「波が次々と押し寄せ、一緒にいた夫と叔父の手が私から離れていった感覚がいまだに残っている」。涙目で語りながらも「全国の皆さんからもらった勇気と励ましを糧に、これからも前を向いて一歩ずつ進んでいきます」と誓った。

 五十嵐さんは震災の教訓を伝える語り部として活動しており、昨年は政府主催の追悼式で言葉を述べた。「震災のことを皆さんの心に少しでも浸透していければと思うが、復興が進んだ分、少し風化が進んでいると思う」。式後、五十嵐さんは8年間を振り返った。
 一般参列者は約150人。富岡町から郡山市に避難したNPO法人チームふくしま事務局長の山口祐次さん(52)は「いろいろな人の支えがあって8年を迎えることができた」と感謝した。

 近畿大2年生の百道(ひゃくどう)楓さん(20)=兵庫県=と阿南亜宙(あひろ)さん(20)=大阪府=は、震災について学ぼうと初めて参列。「災害は誰にも止められず、被災者には、誰にも恨みをぶつけることができない苦しみがあると感じた」と阿南さん。百道さんは「参列者に若い人が少なく、思い出したくない人もいるのかなと思った。微力だが、福島の復興の現状を伝える活動に取り組みたい」と話した。

 内堀知事「一年一年進む」

 県主催の式典では、内堀雅雄知事が「前例のない困難な課題に挑戦し続けていくことを、震災の犠牲となった御霊(みたま)の前で誓う」と式辞を述べた。震災から丸8年の節目に、復興への決意などをまとめた知事のメッセージ文も配布された。

 内堀知事は式後、報道陣に「国内外から温かい応援をもらっている。感謝の思いを胸に、本県が一年一年前に進んでいることが示せるよう努力を続けていきたい」と語った。吉田栄光県議会議長は追悼の辞を述べた。献花も行われ、参列者が犠牲者の冥福を祈るとともに、本県復興への気持ちを新たにした。