福島県遺族代表・叶谷さん誓う「妻の分まで生きる」 政府追悼式

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政府主催の追悼式で、本県の遺族を代表して言葉を述べる叶谷さん=11日午後3時25分、東京都千代田区の国立劇場(代表撮影)

 政府主催の追悼式が11日、東京都千代田区の国立劇場で行われ、本県と宮城、岩手の被災3県の遺族や秋篠宮ご夫妻、安倍晋三首相ら約940人が参列した。

 本県遺族を代表して追悼の言葉を述べたのは、浪江町の叶谷守久さん(79)=福島市に避難。請戸地区に住む漁師だった叶谷さんは、巨大津波から逃れようとするさなかで妻緋佐子さん=当時(71)=を失った。あの日から8年を経た今も「あのとき感じた心の痛み、そして絶望は決して消えることはない」。

 大地震後、津波が来る予感がした叶谷さんは、自宅にいた緋佐子さんを連れて山の麓まで車で逃げ、手を引いて斜面をよじ登ろうとした。しかし、瞬く間に津波にのまれ、つないだ手は無情にも離れていった。

 叶谷さんは木の根に足が挟まって助かったが、東京電力福島第1原発事故で町全域に避難指示が出され、愛する人を捜すことはできなかった。遺体の身元が分かり、対面したときは火葬された後。「せめて自分の手で弔ってやりたかった」。自責の念から町遺族会長を務め、東電の責任を追及する活動の先頭に立った。

 町の避難指示は帰還困難区域を除いて解除され、一歩ずつだが復興へ向かう。「今は、最愛の妻の笑顔と、共に過ごした思い出を心に刻み、妻の分まで精いっぱい生きていく」。天上から見守ってくれている緋佐子さんに届くように誓った。

 安倍首相は式辞で、帰還困難区域で特定復興再生拠点の整備が始まったことを挙げ「原子力災害の被災地域では帰還に向けた生活環境の整備や産業・なりわいの再生支援などを着実に進める」と強調した。

 秋篠宮さまは「いまだに放射線量が高いことなどによって自らの家に帰還できない人が多いことや児童・生徒数の減少、根強い風評被害により農林水産業などへの影響が残っていることに思いをはせると心が痛みます」と本県を気遣われた。

 大島理森衆院議長は、南相馬市で昨年6月に開かれた第69回全国植樹祭で、天皇、皇后両陛下が苗木をお手植えされたことに言及し「被災地が一層緑豊かで美しい環境になるよう願ってやまない」と述べた。

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