『絆』胸に巣立ち...公立中学校「卒業式」 節目の日に感謝と決意

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 県内のほとんどの公立中学校で13日、卒業式が行われた。卒業生は1万6773人(昨年5月1日現在の集計、前年比377人減)。将来を担う若い力は、節目の日に感謝と決意を胸に刻んだ。

 笑い合う仲間が支え

 【富岡一】「一人では何もできなかった。一緒に悩み、笑い合う仲間が私の支えだった」。富岡町の富岡一、富岡二両中は震災、原発事故が起きた2011(平成23)年以来8年ぶりに地元で卒業式を行った。富岡一中の三瓶水香さん(15)は仲間の大切さをかみしめながら、夢に向けて巣立った。

 両中は富岡一中の校舎で昨春、7年ぶりに授業を再開した。全校生は6人。3年生は2人だが、級友が体調不良で欠席したため三瓶さんは1人で卒業式を迎えた。

 「この学びやでさまざまなことを体験し、多くを学んだ」。三瓶さんは込み上げる涙を拭いながら、後輩や教職員へ別れの言葉を告げた。原発事故で小学1年の時に郡山市などに避難し、昨年夏に富岡町に戻った。富岡一中で学校生活を送った期間は2学期からの半年間と短いが「人数が少ないだけに、学年を超えて仲が良かった。みんなとの絆が宝物」と充実した日々を振り返った。

 4月からは高校生。将来の夢は歌手で「震災や原発事故で被災した人を歌で笑顔にしたい」と力を込めた。高校では演劇部に入り、夢の実現に向けて表現力を磨くつもりだ。

 開校後初、学年の垣根越え交流

 【西田学園】郡山市の義務教育学校「西田学園」は、開校後初の卒業式を同校で行った。中学3年生に当たる9年生35人が在校生らと共に過ごした日々に思いをはせながら新たな一歩を踏み出した。

 原真児校長から卒業証書を受けた後、卒業生代表の山田潤之介さん(9年)が「1~9年生までが同じ校舎で学ぶという毎日がワクワクした」と答辞。縦割り班による課外活動や運動会など学年の垣根を越えて交流した日々を「全校生が一つになって、思い出に残る行事になった」と振り返った。式には5~8年生の在校生も出席。最後は児童、生徒らが校歌を歌った。

 村の復興貢献したい

 【飯舘】昨春、飯舘村で授業を再開した飯舘中では、原発事故後初めて村内で卒業式が行われ、22人が"1期生"として羽ばたいた。

 村での学校再開に合わせて、当時2年生だった卒業生は全員が古里の学校を選んだ。「『飯舘中』の卒業証書が欲しかった」。認定こども園と小学校が同じ敷地にあり、最高学年として後輩を引っ張った。

 「今度は支える側の人になる」「村(の復興)に貢献したい」。卒業証書を受け取った卒業生は壇上から感謝と決意の言葉を響かせた。

 答辞を述べた井上朱音(あやね)さんは「多くの人に支えられたことへの感謝を忘れず、村のために行動したい」と誓い、菅野竜生さんは「村の校舎で卒業できたことを誇りに思う」と話し、「飯舘中」と書かれた卒業証書を大事そうに見つめた。

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