東電に3000万円賠償命令 大熊の果樹園「使用できず無価値」

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 大熊町で農園を営んでいた男性らが東京電力福島第1原発事故の影響で土地や果樹などが使用できなくなったとして、東電に計約3億円の損害賠償を求めた訴訟で、地裁いわき支部の名島亨卓裁判長は14日、男性らの請求を一部認め、東電に計約3000万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 判決理由で、名島裁判長は男性らの土地が「帰還困難区域に指定され、現在全く使用できず無価値になった」と指摘した。果樹と果樹棚の賠償は認めたが、伐採費や工事費の損害は認めなかった。判決では裁判所が算定した損害額から、裁判外紛争解決手続き(ADR)で支払い済みの額を引いた分を賠償額とした。

 判決などによると、男性らの土地は同原発から約5キロで、事故の影響で帰還困難区域となった。男性らはADRを申し立て、2016(平成28)年に和解が成立したが、弁済額の算出方法などで一部合意に至らなかった。東電は請求棄却を求めていた。

 判決を受け、原告側弁護士は「男性らと相談し、今後の方針を検討したい」とし、東電側は「判決内容を精査し、対応を検討したい」とコメントした。