全国初!福島県7病院で「遠隔病理診断」 AI診断実験開始へ

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 福島医大は15日、県内で深刻化している病理医不足への対策として、同大付属病院と県内6病院を結び、遠隔で病理診断を行うネットワークの運用と、同ネットワークを利用した胃生検のAI診断システムの実証実験を始めると発表した。AI診断の実証実験は全国初、遠隔病理診断ネットワークの構築は県内初。

 同大医学部病理病態診断学講座の橋本優子教授が日本病理学会と共に取り組むプロジェクトの一環。病理医の業務負担軽減と、AI診断導入を通じた診断の質向上が狙いで、本県での活用状況を踏まえ、全国でのAI診断導入を目指す。

 病理医は、患者から提供を受けた組織を顕微鏡で調べるなどして最終的な診断を下す医師。本県の10万人当たりの病理医は1.27人、平均年齢は60.2歳とともに全国ワースト2位で、病理医不足と高齢化が課題となっている。2人以上の常勤病理医がいる県内の医療機関は福島医大だけで、ネットワークに参加するほかの病院は病理医が1人だけか、常勤医を置かず非常勤で対応しているという。

 ネットワークでは、同大が福島赤十字病院(福島市)、太田西ノ内病院(郡山市)、星総合病院(同)、総合南東北病院(同)、福島医大会津医療センター(会津若松市)、竹田綜合病院(同)とそれぞれ連携。6機関が福島医大に病理画像を送って同大で病理診断を行うことで、病理医が不足している機関でも診断ができる体制を整えた。将来的には難しい症例に関して参加機関同士が連携して判断することも見据えている。

 実証実験は、同ネットワークの遠隔診断で得られた胃生検の病理画像を同学会のサーバーに集積し、AIを使って胃がんを診断する。AIの判断に対して医療機関がフィードバックを行い、診断精度の向上を図る。

 橋本教授と同学会の北川昌伸理事長、倉田盛人福島病理ネットワーク担当が15日、県庁で開いた記者会見で明らかにした。橋本教授は「病理医の診断対象はこれまで以上に幅広くなっているが、AI診断が業務をカバーし、質の高い診断が行えることに大きな期待がある」と述べた。

おすすめPickup!ニュースの『玉手箱』

【 参院選ニュース一覧 】 福島選挙区に「3人」立候補