りゅうぐうに水 会津大・北里准教授らチーム解析、はやぶさ2観測

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機はやぶさ2による小惑星りゅうぐうの上空からの観測で、水を含んだ鉱物があることが分かったと、会津大やJAXAなどのチームが19日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。地球の海の水は昔、飛来した小惑星がもたらしたとの説がある。その検証のため、りゅうぐうから石を持ち帰るのがはやぶさ2の使命だ。今回の発見で、石の分析から海の起源に迫れるとの期待が高まった。

 チームは、りゅうぐう表面の含水鉱物の分布を調べるための機器「近赤外分光計」(NIRS3)でりゅうぐうの表面を観測。当初は水が確認できなかったが、詳しく解析すると、酸素と水素が結び付いた水の成分を含む鉱物「含水鉱物」が、少量ながら広く分布していることが分かった。

 解析を担当した会津大の北里宏平准教授は主任研究者として、機器開発から観測、データ解析を主導。北里准教授は論文掲載を受け「プロジェクトに貢献できたことは誇り。はやぶさ2に関われる環境を与えていただいた会津大や福島県の皆さんに感謝したい」とのコメントを出した。

 水の中には、同じ水素だが重さが異なる「同位体」が含まれる。持ち帰った石を分析し、同位体の割合がりゅうぐうと地球の水で同じなら、小惑星が地球に水をもたらした可能性が高くなる。

 生命の原材料ともいえる有機物が石に入っていることも期待されている。

 北里准教授は「りゅうぐうのような(炭素系の物質が主成分の)C型小惑星は、地球に水をもたらした有力な候補の一つとして考えられている」とし、「今回の観測結果と2020年にはやぶさ2が地球に持ち帰る試料の分析結果とを組み合わせることによって、地球の水の起源に関する理解を深めることができる」と論文掲載の意義を語った。

 別の小惑星ベンヌから石の回収を目指す米国の探査機オシリス・レックスも、ベンヌの上空からの観測で水を含む鉱物を確認したと昨年12月、米航空宇宙局(NASA)が発表している。はやぶさ2は来年末、オシリス・レックスは23年に地球に帰還する予定で、日米の研究者が石を交換するなど協力して分析を進める計画だ。