フルーツのいとう園が福島県内「初受賞」 6次産業化アワード

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フルーツのいとう園の干しブドウ

 「農家にとって大きな課題は販売だ。商品を考え抜いた結果が評価された」と喜ぶのは、福島市飯坂町にある果樹栽培「フルーツのいとう園」の伊藤隆徳社長(71)。農林水産物の生産から加工、販売までを手掛ける6次産業化の優れた取り組みをたたえる本年度の「6次産業化アワード」で、奨励賞・商品開発アイデア賞を県内で初めて受賞した。

 同社は、大粒で糖度18度以上の高級種ブドウ(巨峰やシャインマスカットなど)を枝付きのまま「干しブドウ」に加工して販売している。商品化のきっかけは原発事故による風評で売り上げが減少したことだった。風評を払拭(ふっしょく)するには消費者の人気を得る新商品が必要と考えたが「6次化に取り組む農家の販売力には限界がある。購買者のターゲットを絞らなければ」と課題と向き合った。

 市場調査の結果、国内外の富裕層に狙いを定めた。枝付きの干しブドウを製造して商談会に参加したものの、ありきたりなパッケージでは通用しないことを痛感した。さっそくデザイン会社に依頼してパッケージやロゴマーク、名刺、車両に至るまでデザインを統一。シンプルで高級感のあるブランディングが実を結び、いまや大人気商品となり現在は品切れの状態だ。

 受賞報告のため、伊藤さんと妻アサさん(71)は20日に福島市役所を訪れ、取り組み状況などを語った。伊藤さんは「全国からの大きな反響が励み」と喜び、本格的な海外展開への展望を語った。「海外でも売れると確信している。農産物の風評払拭に向けてさらに頑張りたい」