南相馬・塚原海岸、アートで再興へ 防潮堤に震災前の姿を

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塚原海岸アートプロジェクトの完成イメージ図。中央の防潮堤に防炎シートを張り、過去と未来の塚原の様子を描く

 塚原に本当の春を届けよう―。東日本大震災による津波で甚大な被害を受けた福島県南相馬市小高区塚原の塚原海岸で、アートの力で古里を再興しようとするプロジェクトが本格始動した。塚原行政区の住民有志らが塚原海岸アート実行委員会を昨年設立。今夏、同海岸に整備された防潮堤に、震災前の活気にあふれた塚原の様子などを描き、南相馬の復興を発信する。

 発案したのは南相馬市小高区塚原出身で実行委員長の村井俊道さん(67)。「震災から8年が経過したが、住民はまだ暗闇の中を手探りで希望を探している状況だ。今年こそ、塚原に春を取り戻したい」。現在、約10人の委員と共に話し合いを進めている。

 塚原行政区は震災、原発事故の影響で行政区の一部が住居を新築できない災害危険区域に指定された。現在、震災前の6分の1程度の住民が帰還しているが、若者の姿はない。また、海岸の防潮堤のかさ上げで、身近だった海などの自然が遠い存在となっている。

 プロジェクトは塚原海岸の防潮堤に長さ100メートル、幅2メートルの防炎シートを張り、委員らがシートに過去と未来の塚原の姿を絵の具や刺しゅうで描く計画だ。

 実行委は21日、同市小高区で初めてのワークショップを開き、参加した委員や市民ら約30人がアートで伝えたい塚原の思い出や良さなどを出し合った。デザインは東京都のアーティストが協力する。今後、定期的にワークショップを開き、デザインを決める。

 村井さんは「多くの人々にこのプロジェクトに参加してもらいたい。そして、塚原の希望と笑顔を未来につなげたい」と参加を呼び掛けている。

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