大熊の2地区、4月10日「避難解除」 町と県、政府が合意

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 東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く大熊町の帰還困難区域以外の避難指示が4月10日に解除されることが事実上決まった。政府の原子力災害現地対策本部と町、県が26日に協議し、合意した。第1原発が立地する大熊、双葉両町での避難指示解除は初めて。政府は今後、原子力災害対策本部で解除を正式決定する。

 原子力災害現地対策本部の磯崎仁彦本部長が会津若松市の町会津若松出張所を訪れ、渡辺利綱町長、鈴木光一町議会議長、鈴木正晃副知事らに解除の日程を提案、合意した。避難指示解除の対象は居住制限区域の大川原地区と、避難指示解除準備区域の中屋敷地区。町面積の約38%に当たる。両地区では2月末時点で全町民の約3.6%となる374人(140世帯)が住民登録している。

 協議後、磯崎本部長は記者会見で放射線量の低下や電気、ガスなどのインフラ復旧などの状況を説明した上で「避難指示を解除する要件を満たしている」と述べた。協議では、渡辺町長が追加除染の速やかな実施や避難を継続している町民の支援を要望した。磯崎本部長は「(避難指示解除は)あくまでも第一歩。町、町議会、住民の意見を丁寧に聞きながら、復興に全力で取り組む」と語った。

 渡辺町長は会見で「(解除対象は)町全体の一部だが、これを呼び水にして復興に弾みをつけたい。帰還困難区域の今後の在り方も要望していきたい」と述べた。

 町は大川原地区に建設している役場新庁舎の開庁式を4月14日に行い、5月7日から本格的に業務を始める。災害公営住宅50戸への入居が6月にも始まる。

 ただ同地区内の商業施設、福祉施設、交流施設はいずれも2020年に開所する予定。このため町はコンビニエンスストアが入る仮設商業施設の設置や隣接する富岡町内の医療機関、商業施設を巡回する車両の運行などで当面対応する方針。