「畜産JGAP」福島県内で初取得 泉崎・木野内ファーム

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JGAP家畜・畜産物で県内初となる認証を取得した木野内ファームの木野内社長

 農作業の環境に配慮して安全性の高い農産物を生産するGAP(ギャップ、農業生産工程管理)の第三者認証で、養豚業の木野内ファーム(泉崎村)が福島県内で初めて畜産のJGAPを取得したことが1日、分かった。取得日は3月25日で、本県畜産業の復興や振興に向けた先進事例となる。

 同ファームは昨年4月、微生物や化学物質、異物などの危害要因を衛生管理で防止する手法「農場HACCP(ハサップ)」の認証も県内で初めて取得した。

 GAPの認証取得は2020年東京五輪・パラリンピックの選手村などに食材を供給する基準の一つとなっている。このため、県とJA福島中央会は2017(平成29)年5月にGAPの認証取得数で日本一を目指す宣言を発表した。本県は今年2月末現在でコメや青果物など、計135件に増えたが、これまで畜産GAPを取得した農場はなかった。

 畜産GAPは17年8月に日本版「JGAP」の運用が始まり、3月28日現在で全国の76農場が取得している。各農場は日ごろから、生産履歴の記帳を中心に、食品安全、家畜衛生、環境保全、労働安全、家畜に苦痛などを与えないよう配慮した飼養管理「アニマルウェルフェア」を確保するための点検を実施。記録簿や掲示物などによって管理の見える化を図っている。

 本県畜産業は原発事故に伴う風評被害で打撃を受けた。養豚の産出額は06年の103億円から11年に84億円まで減少した。現在も震災前の水準に回復していない。畜産GAPの取得は安全性を客観的に証明できるなどの利点が期待されている。

 ◆衛生や安全徹底

 木野内ファームの木野内理社長(44)は「安全・安心は口だけでなく、第三者機関からしっかりと担保してもらう必要がある」と表情を引き締めた。

 同社は1977(昭和52)年に創業。現在従業員は10人で、母豚、哺乳豚など計約4千頭を飼育している。

 木野内社長が、JGAP取得を目指したきっかけは五輪の東京開催が決まったことだった。「五輪で食材を提供し、県産品の風評を払拭(ふっしょく)したい」という思いを持つようになり、衛生面や工程、労働安全の徹底に取り組んだことが認証につながった。

 木野内社長は海外の畜産の先進性に触れ「しっかりと付加価値をつけ、国産の優位性を出していかなければいけない」と話した。