「ふたば未来学園中」開校 待望の入学、中高一貫教育本格始動

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 双葉郡の教育復興のシンボル「ふたば未来学園」の中学校が8日、広野町の新校舎で開校し、1期生60人(男子20人、女子40人)が伝統を築く一歩を踏み出した。2015(平成27)年4月に一足早く開校した高校も広野中に入った仮校舎から中学併設の新校舎に移転し、新たに5期生146人(男子78人、女子68人)が入学、中高一貫教育が本格始動した。

 「新しい時代を築く開拓者を目指す」。ふたば未来学園中の開校式会場となった真新しいアリーナに、新入生代表、大越佑哉さん(12)=広野町=の決意の宣誓が響いた。

 将来の夢は新しい自動車エネルギーを開発する研究者。前例のない分野に挑む「変革者たれ」の建学の精神を胸に刻み、1期生の仲間と共に被災地の未来を切り開いていく。

 広野町で自動車整備工場を営む父親の背中を見て育つ中、自動車関連の仕事に就きたいと思った。小学校では深刻化する温暖化問題を学び、ガソリンに代わり、電気自動車よりも効率の良い新しいエネルギーを自分の手で創り出したいという目標が生まれた。

 ふたば未来学園中は双葉郡の教育復興のシンボルとして、実践的な英語力や数学力を高めるための特色ある授業を展開する。町内にある母校の広野小を卒業した仲間の多くは広野中に進学して離れ離れとなったが、大越さんは夢を実現するための近道だと信じている。

 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故が発生したのは4歳の時。二本松市やいわき市への避難を経験し「怖かったと思う」が、当時のことはほとんど覚えていない。自身が暮らす広野町を含め双葉郡には地域経済を立て直すための産業創出や根強い風評被害などさまざまな課題が横たわるが、今はまだ理解に乏しい。

 同学園では地域の課題や実情などについて考える「未来創造学」の授業が特徴だ。高校では振興策やエネルギーなどをテーマに課題の解決に取り組む授業で学びを深める。「開発したい新しいエネルギーが古里の復興にどう役立てられるのか。地域と向き合いながら考えていきたい」。これからの6年間で力を蓄え、復興の一翼として羽ばたくことを誓う。