全国並み続く「新生児異常率」 県民健康調査、発生率は2.38%

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 原発事故の健康影響を調べる県の「県民健康調査」検討委員会が8日、福島市で開かれた。福島医大は2017(平成29)年度の「妊産婦に関する調査」の結果を報告、新生児の先天奇形・異常の発生率は2.38%(前年度2.55%)で一般的な発生率(3~5%)と差がなかった。

 同調査は11年度から継続して行われているが、大きな変動は見られず、一般的な発生率と比べて高くない状況が続く。先天奇形・異常の中で最も多かった疾患は心臓奇形0.62%(前年度0.91%)で、自然発生率(約1%)と変わらなかった。低体重児(2500グラム未満)の割合は9.4%(前年度9.5%)、早産は前年度と同じ5.4%で、いずれも人口動態統計を基にした低体重児の全国平均9.4%、早産5.6%とほぼ同様だった。

 一方、産後にうつ傾向と診断された母親の割合は20.7%(前年度21.1%)で福島医大は「経年的に減少傾向だが、産後うつ疑いの推定割合は全国データより高い状態」と分析する。

 また福島医大は、13年度の妊産婦調査の回答者に対するフォローアップ調査の結果も公表。うつ傾向ありと判定された母親の割合は23.5%で4年前の調査時より1ポイント減少とほぼ横ばいだった。

 避難区域住民の肥満割合が増

 福島医大は県民健康調査検討委員会で、震災後、避難区域の住民で過体重・肥満の割合などが上昇したとする論文を報告した。震災後の仕事状況の変化や心理的ストレスの増加などが要因とみられ、行政と住民が協働した予防事業が必要としている。

 過体重・肥満の割合は2008(平成20)~10年度は31.5%だったのに対し、11~12年度は38.8%に増加。高血圧や糖尿病、脂質異常の割合も上昇した。さらに、震災後1~2年間と3~4年間の健診データを比較すると、糖尿病と脂質異常でさらなる上昇が見られた。

 また、福島医大は、健康診査とこころの健康度・生活習慣に関する調査を関連付けて分析した結果、対象者2万2246人のうち27・3%で肝障害が確認されたとの論文も公表。避難生活者で割合が高く、非雇用が主なリスク要因だった。