大熊、一部避難指示「解除」 原発立地町初、帰還困難区域残る

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 政府は10日、東京電力福島第1原発事故に伴い大熊町の大川原、中屋敷の両地区に出ていた避難指示を解除した。第1原発が立地する大熊、双葉両町での避難解除は初めて。

 解除されたのは、居住制限区域の大川原地区と、避難指示解除準備区域の中屋敷地区。町面積(約79平方キロ)の約38%を占め、両地区には3月末時点で全町民1万341人の約3.5%に当たる367人(138世帯)が住民登録をしている。かつて9割余りの町民が暮らした地域は帰還困難区域として避難指示が継続される。

 大川原地区に建設された役場新庁舎は14日に開庁、5月7日から100人規模で業務を始める。ただ入居可能な職員宿舎は26戸と限りがあり、多くの職員はいわき、南相馬、郡山の各市など町外から通う見通し。新庁舎近くの災害公営住宅50戸では、町民の入居が6月にも始まり、公的賃貸住宅なども整備される。

 しかし避難生活が長引き、町外で生活基盤が構築されていることや、大川原地区に整備される福祉施設、商業施設などの開所が今回の解除に間に合わないこともあり、住民の帰還の動きは鈍い。町は仮設商業施設の設置や隣接する富岡町内の医療機関などを巡回する車両の運行で当面対応するほか、帰還する町民の引っ越し費用を1世帯最大20万円補助する新規事業で帰町を後押しする。

 一方、かつての中心街は帰還困難区域にあり、約1万人の町民は今後も県内外で避難生活を継続するとみられる。政府はJR大野駅などを含む約860ヘクタールに、住民が再び住めるようにする特定復興再生拠点区域を設け、2022年春ごろまでの避難解除を目指し、家屋の解体や除染を進める。