大熊町長・渡辺利綱氏に聞く 「帰還困難全域復旧を強く要望」

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「復興に向けた通過点」と語る渡辺町長

 大熊町の渡辺利綱町長は福島民友新聞社のインタビューに応じ、帰還に向けた環境整備をさらに推し進める考えを示した。

 ―避難指示解除を迎え、心境は。
 「ようやく一歩を踏み出すことができた。だが、避難指示解除は一部の地域、町民にとどまる。今回は復興に向けた通過点といえる。8年の歳月、原発の立地町という事情もあり、課題だらけだ。試行錯誤を重ね、安心して戻れる環境、町民のニーズに合ったまちづくりを進める」

 ―震災から8年が経過。
 「町を後にし、田村市を経て会津若松市に避難して8年が過ぎた。ずいぶん長かったとの思いもある。多くの方に受け入れていただき、お世話になった」

 ―避難指示が解除され、役場新庁舎が開庁する大川原地区の今後の整備は。
 「帰町の状況などを見極めながら、住宅整備を継続する。福祉施設、商業施設、診療所などの開設はこれからだが、買い物など日常生活を送る上で支障がないように、仮設商業施設の先行開業などで対応する」

 ―町面積の約62%は帰還困難区域のままだ。
 「帰還困難区域全域を復旧させることが、国と東京電力の責任だ。継続して強く要望していきたい。また避難指示解除のめどなど、時間軸を示してほしい。それにより町民も人生設計がしやすくなる」

 ―帰町しない町民への支援継続を求める声がある。
 「避難先での今後の安定した生活の確立のためにどんな形で支援できるか、今検討している。町民全てが安心して暮らせる新たな仕組みがどうあるべきか、模索していく」