漁業者に広がる『落胆』の声 WTO逆転敗訴、韓国の禁輸容認

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相馬市で水揚げされる魚。漁業関係者からはWTOの判断に不満の声が上がる=12日午前、松川浦漁港

 「事故直後のイメージのままなのか」―。本県など8県に対する韓国の水産物輸入禁止措置を巡り、日本の逆転敗訴とした世界貿易機関(WTO)の上級委員会の判断に、県内の漁協関係者からは落胆の声が相次いだ。東京電力福島第1原発事故から8年が過ぎてもなお、海外での風評払拭(ふっしょく)に向けた努力は続く。

 「国で定めた基準以上に厳しい基準を設け、間違いなく安全な魚として出荷している。今回の判断は本当に悔しいし納得がいかない」。相馬双葉漁協の立谷寛治組合長(67)は憤りを隠せない。国より厳しい独自の基準や漁師自ら首都圏などに足を運んでのPRなど、さまざまな取り組みを続けてきた。相馬市の漁師松本浩一さん(64)も「なぜ分かってもらえないのか。実際に福島に来て自分の目で漁や検査の様子を見てもらえれば、間違いなく安全だと分かってもらえるはずなのに」と唇をかんだ。

 一方、いわき市で漁業に従事する佐藤文紀さん(28)は、国内でも県産魚介類の安全性については浸透しきっていないと感じている。「人によっては事故直後のイメージのままなのでは。国際的となると、国内よりも伝わりにくいはず」と指摘。「多くの人に受け入れてもらうには、水揚げを増やして安全性やおいしさを認知してもらうしかない」と前を向く。

 「これまで8年間やってきたことは、続けていかなければならない」。県漁連の野崎哲会長は風評払拭に向けて、継続こそが重要と強調した。「韓国の消費者も安全なものを食べたいという思いだろう。福島での安全への取り組みを一つずつ理解してもらうことが、遠回りではあるが正道だ」

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