「伊藤若冲展」注目作新た!16日から後期 前期展示は14日まで

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前期終了を間近に控え、大勢の来場者でにぎわう会場

 福島市の県立美術館で開催中の「東日本大震災復興祈念 伊藤若冲(じゃくちゅう)展」は14日が前期展示の最終日となる。

 前期最終日を翌日に控えた13日は、好天にも恵まれて大勢の人が訪れた。若冲が、天明の大火で大きな被害を受けた地元京都の復興を願って描いたとされる「蓮池図(れんちず)」など、前期で見納めになる作品の前には人だかりができた。

 15日は休館日で、後期展示は16日から始まる。「陸の王」と「海の王」をダイナミックに描いた「象と鯨図屏風(びょうぶ)」や、大根を釈迦(しゃか)に見立てた「果蔬涅槃図(かそねはんず)」、「鸚鵡(おうむ)図」など注目作約30点が新たに展示され、26日からさらに数点が加わる。

 会期は5月6日まで。月曜日は休館(29日、5月6日は開館)。展覧会は福島民友新聞社と県、県教委、県立美術館、福島中央テレビでつくる実行委員会の主催。福島民友新聞創刊125周年記念事業、福島中央テレビ開局50周年記念事業。

 ツアー客向け作品解説

 福島市の県立美術館で開催中の「東日本大震災復興祈念 伊藤若冲(じゃくちゅう)展」。前期展示の終了を間近に控えた13日の会場は、美術鑑賞とともに県北地域の満開の桜を楽しもうという人々で大いににぎわった。

 この日はツアーバスで訪れる人が多く、ツアー客向けの講演会も開かれた。若冲作品をより楽しむために知識を深めてもらおうと、鑑賞前の人たちを対象に開催。東北芸術工科大の鴻崎正武(こうざきまさたけ)准教授(福島市出身)や県美術家連盟の斎藤勝正会長が講師を務めた。

 このうち鴻崎准教授は「若冲と言えば鶏が有名だが、若冲は鶏の表情や動きを自分の頭の中で再構成してから描いている。対象をデフォルメするのがとても上手だ」と指摘。ポール・セザンヌやヒエロニムス・ボスなど西洋の画家との共通点も指摘しながら若冲の表現の特徴を解説した。

 春らしい陽気となった週末。東北中央道を通って米沢市から訪れたという鈴木孝雄さん(71)は「象を紙幅いっぱいに描くなど、自由な表現がすごい」と感想を語り、「国見町の観月台公園にも立ち寄り、花見も楽しみました」と笑顔を見せ、若冲とともに本県の春の魅力を満喫した様子だった。