3号機「核燃料」搬出開始 福島第1原発、廃炉安全確保へ一歩

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 東京電力は15日、福島第1原発3号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出し作業を始めた。使用済みと未使用の計566体の燃料を第1原発敷地内の共用プールに移送して安定的に保管する計画で、2021年3月末までの完了を目指す。機器の不具合などで取り出し開始時期は当初目標から4年以上遅れたが、廃炉作業の安全確保に向けた一歩となる。

 炉心溶融(メルトダウン)した1~3号機のプールからの取り出しは初めて。東電は試験的に未使用燃料7体を取り出した後、月内に輸送容器に入れて共用プールに移す。この日は午前8時30分ごろ作業が始まり、遠隔操作で燃料取扱機を使って4体をプール内の輸送容器に入れた。

 2体目を輸送容器に入れた後、燃料取扱機が燃料上部のハンドルに引っかかったが、東電は「燃料取扱機の向きを変更して対処できたため、作業は問題なく終了した」としている。16日以降、残り3体を収納後、クレーンで輸送容器を取り出し、除染して共用プールに移す。

 第1原発敷地内の新事務本館では、東電が最初の1体を輸送容器に入れる様子を報道陣に公開した。午前8時50分ごろ、燃料取扱機で1体目をつかみ、プール内を移動させて約10メートル離れた輸送容器に収納した。想定していた2~3時間より早く約1時間で完了した。

 使用済み燃料は、熱と放射線を長期間、出し続けており、冷却や放射線を遮るためプールに保管されている。今回は比較的リスクの低い未使用燃料を搬出後、共用プールの定期点検に合わせて中断し、7月ごろ再開する。

 事故で炉心溶融、水素爆発が起きた3号機は放射線量が高く、搬出準備が遅れた。東電は当初「14年末開始」を目標としていたが、「15年度上半期」「17年度」に変更。その後さらに「18年度中ごろ」とし、18年夏には、同11月にも始める計画を示していたが、関連装置で不具合が相次ぎ、今月にずれ込んでいた。

 第1原発1~6号機のうち、4号機は14年12月に燃料取り出しが完了している。1、2号機はプール周辺での調査などを進めている段階で、23年度めどの開始を目指している。炉心溶融を免れた5、6号機にも燃料が保管されている。