がん細胞増殖を抑制!新代謝経路発見 吉永福島大准教授ら研究

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 福島大食農学類の吉永和明准教授(34)らの研究グループは15日までに、がん細胞の増殖に関係する脂肪酸代謝の新たな経路を発見した。実験ではこの代謝経路を阻害することでがん細胞の増殖が抑えられることが確認されており、がん治療への応用が期待されるという。研究成果が2月、科学誌「ネイチャー」に掲載された。

 がん細胞が代謝し増殖する経路として、脂肪酸「パルミトオレイン酸」を用いた代謝経路が知られていたが、今回の研究では新たに脂肪酸「サピエン酸」とそのエネルギー代謝によって現れる「cis―8―オクタデセン酸」を用いた代謝経路を発見した。

 がん細胞の増殖を完全に抑えるには両方の経路を抑える必要があるという。研究では肺、肝臓の各がん細胞で両方の経路を阻害することによる増殖の抑制が確認されているという。

 ベルギーのバイオテクノロジー研究機関(VIB)の研究者を中心とした5カ国の共同研究で、吉永准教授は前職の月島食品工業研究所(東京)時代に開発した手法を使い、脂肪酸の分析を担当した。

 吉永准教授は「今後もチームでの研究を続け、がん治療につながる基礎研究など人の生活の質を上げる研究に取り組みたい」と話した。