写真家・山崎さん...撮り続ける「工事現場」 道や橋守り人写す

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舗装補修工事の様子を撮影する山崎さん(右)=福島市・国道4号

 県内の道路や橋の補修工事現場で、一眼レフカメラのシャッターを切る女性の姿がある。国内外で活動する写真家、山崎(やまさき)エリナさん。毎月のように本県を訪れて工事現場を撮り続け、"暮らしを支える最前線"を発信している。

 山崎さんの作品をまとめた写真集「インフラメンテナンス―日本列島365日、道路はこうして守られている」が今月中旬、県内外の書店で発売された。都内の八重洲ブックセンターでは一時、ベストセラーランキングで1位に輝き、県内の書店でも特設売り場が設けられるほど注目を集めている。山崎さんは神戸市出身。仏・パリを拠点に3年間、写真活動に専念した後、40カ国以上を旅して撮影を続けた。

 「誰かが直してくれていると思うぐらいだった工事の現場に実際に足を踏み入れてみると、日々の暮らしを守っている『人の力』を実感した」。被写体としての工事現場に出会ったのは、2017(平成29)年秋。道路や橋の補修工事を手掛ける寿建設(福島市)の森崎英五朗社長が「現場で頑張っている社員を知ってもらいたい。そのためにプロのカメラマンに撮影してもらおう」と考え、知人から紹介を受けた山崎さんに撮影を依頼。山崎さんはそれ以来、道路、橋、トンネルの舗装工事から除草、除雪まで建設会社が請け負うさまざまな現場で、ファインダー越しに作業に汗を流す人たちの姿を追ってきた。昨年は福島市や仙台市などで「インフラメンテナンス写真展」も開いた。

 カメラを向けられることに最初は抵抗があったという作業員たちと次第に顔なじみになり、今では自然な笑顔が写真に納まる。

 写真集に掲載している写真の9割は本県で撮影したものだ。来年以降、パリの美術館でインフラメンテナンス写真展の開催を予定している。「撮影を通して働く人の誇りを感じ、引き込まれた」と山崎さん。「これからも写真を撮り続けていく」と意欲は増すばかりだ。