聖地・Jヴィレッジ「全面再開」 サッカー施設、新たな歴史へ

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東日本大震災から8年1カ月を経て全面再開したJヴィレッジ。記念式典では全面再開を祝うバルーンが大空に舞った=20日午前、Jヴィレッジ

 国内有数のサッカー施設、Jヴィレッジ(楢葉町、広野町)は20日、東日本大震災から8年1カ月ぶりに全面再開した。天然芝ピッチ2面の整備が終わり、施設全てが利用できるようになった。来年の東京五輪では聖火リレーの出発地になることが決まっており、本県復興の象徴ともなるサッカーの聖地が新たな歴史を刻む。

 施設は東京電力福島第1原発事故の対応拠点となったが、昨年7月にピッチや宿泊棟など一部営業を再開、9月には全天候型練習場がオープンした。内堀雅雄知事は「(施設が)再生を遂げスタートを切った」と感慨深げに語り「来年3月に聖火リレーが始まる。どんな困難でも克服できるというメッセージを発信したい」と期待を込めた。さらに「施設が元気になることが復興につながる」として、施設を核に浜通りをはじめ本県の復興創生に取り組む考えを強調した。

 記念式典に出席した日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長は「日本サッカーの発展にJヴィレッジは欠くことのできない存在」と述べ、施設での代表チームの合宿などを通じて選手の強化を継続する方針を示した。JFA名誉総裁の高円宮妃久子さまは「Jヴィレッジの設立が日本スポーツの発展につながった」とお言葉を述べた。スタジアムではサッカー女子なでしこリーグの公式戦が行われ、休部中の東京電力女子サッカー部マリーゼに所属していたマイナビベガルタ仙台の選手が古巣のピッチに立った。

 Jヴィレッジ「地域の誇り」

 Jヴィレッジには20日、一日の来場者数としては過去最多となる約2万人(県発表)が訪れ、聖地の新たな幕開けを祝った。

 式典には国や市町村、サッカー関係団体などから約280人が出席した。内堀雅雄知事は、震災後の支援に感謝しながら「子どもの声が響き、アスリートが合宿するなど施設は再び歩みを進めている。スポーツの振興に寄与できるように取り組む」と力を込めた。

 施設のある楢葉町の松本幸英町長は「双葉地方の誇りがパワーアップして復活を遂げた。交流人口の拡大へ挑戦を続けたい」と喜び、広野町の遠藤智町長は「一丸となって取り組んできた新駅も開業した。復興の姿を発信していきたい」と決意を口にした。

 施設は東京五輪サッカー日本代表の合宿地に決まっており、今年のラグビーW杯(ワールドカップ)ではアルゼンチン代表の合宿地の有力候補地となっている。日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「施設がなければサッカー日本代表のW杯出場も『なでしこジャパン』の世界一もなかった」と述べた。来賓の渡辺博道復興相は「多くの人が集まることで新たな絆が生まれる」と期待を込め、吉田栄光県議会議長は「スポーツはもとより全国規模の会議やイベントを通して交流が生まれ、地域ににぎわいをもたらす」と語った。

 続いて一般の来場者も交え集まった人たちが「サッカーの聖地、Jヴィレッジ」の掛け声を上げると、風船が空高く舞い上がった。

 福島民友新聞社から五阿弥宏安社長が出席した。