白河の「小峰城跡」完全復活 石垣修復完了、全国の支援に感謝

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石垣の崩落から復活を遂げた小峰城跡。手前では火縄銃演武が行われた=21日

 東日本大震災で約7000個の石垣が崩落した福島県白河市の国指定史跡「小峰城跡」が21日、約8年を経て、震災被災から完全復活を遂げた。鈴木和夫市長が同日、同市の城山公園で石垣修復の完了を宣言。市民や観光客らが白河のシンボル復旧を祝い、さらなる観光振興に期待を込めた。

 小峰城跡は2010(平成22)年に国指定史跡となったが、翌11年に発生した東日本大震災とその余震で、計10カ所、延べ約1500平方メートルの石垣が崩落。市は同12月から国の補助を受け文化財災害復旧事業として修復工事を進めてきた。

 小峰城跡の歴史と魅力を多くの人に―。市内の名所や史跡などを案内する観光ボランティア「ツーリズムガイド白河」の北住雅雄さん(67)らメンバーは、石垣崩落後も小峰城跡を発信し続けてきた。来場者を案内し、小峰城跡の歴史や被害・復旧状況などを紹介しながら、石垣復活の日を待った。

 北住さんは「崩落後も、2度、3度と訪れてくれた人が多かった」と振り返り、「全国からの支援にも感謝したい。これからも、感謝の心で皆さんを案内していきたい」と感慨深げに語った。

 修復完了宣言は、白河小峰城さくらまつりの特設ステージで行われた。鈴木市長は小峰城や石垣の修復経緯などを説明し「無残にも崩壊した石垣を見て市民は大きなショックを受けた。自ら被災しながら、日々小峰城に足を運びその行く末を案じていた」と回顧。「その姿を見て、小峰城の復興が市民の心の復興であることを確信した。今後も小峰城の持つ歴史を全国に発信し、多くの人が集まる場にしていきたい」などと修復完了を喜んだ。

 ◆石1万2000個積み直す

 小峰城跡の石垣復旧では、文献や過去の写真を参考にし、文化財としての価値を損なわないよう可能な限り、築造された江戸時代の工法を使用。セメントは使わず、石材と隙間を埋める小石のみで積み上げた。崩落箇所の周辺を含め、積み直した石は約1万2000個、総事業費は約50億円に上った。

 2016(平成28)年の熊本地震で熊本城の石垣が崩落した際には、熊本市が白河市に修復に関する助言を求め、これをきっかけに両市の交流が続いている。