10連休は惜しいが...『夏の観光』間に合う 吾妻山警戒引き下げ

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噴火警戒レベルが下がった吾妻山。5月31日に予定される磐梯吾妻スカイラインの再開通も待ち遠しい=22日午後、福島市

 引き下げを待っていた―。吾妻山(一切経山)の噴火警戒レベルが7カ月ぶりに1に引き下げられた22日、地元からは歓迎の声が上がった。ただ、2014(平成26)~16年の間も噴火警戒レベルは2に上がっており、「またすぐレベルが2に上がるようなことにはならないでほしい」。今後への期待と不安が交錯した。

 「10連休には間に合わないが、夏の観光シーズン以降に観光客が増えることを期待している」。福島市の土湯温泉観光協会の池田和也事務局長(61)は喜びを口にした。同市の飯坂温泉観光協会の永倉正事務局長(60)は「果物のシーズンでもある夏の観光には間に合う」と歓迎する。

 吾妻山の麓には観光果樹園が多い。果樹直売所が並ぶ通称フルーツライン沿いで、家族で果樹園を営む60代女性は「秋の行楽シーズンを中心に人のにぎわいが戻るはず」と期待。磐梯吾妻スカイラインで福島市と結ばれる猪苗代町商工観光課の担当者も「新緑や紅葉シーズンに向けて、観光面で大きなプラス」と、その効果を見据える。

 高まる期待の一方で不安は残る。「ようやく通常に戻ると安心しているが、心配もある」。福島市の高湯温泉観光協会の永山博昭事務局長(63)は複雑な心境を明かす。「イメージを払拭(ふっしょく)するのに時間を要するのではないか」。同協会によると、昨年9月のレベル2への引き上げ後、共同浴場の利用客は2割ほど減ったという。土湯の池田事務局長も「旅行会社のツアーなどは状態が安定してからでないと組まれない。またすぐにレベルが引き上げられるような事態は困る」と懸念を示す。

 活火山である吾妻山。レベルは引き下げられたが今後どのように推移するかは見通せない面がある。福島地方気象台は22日、「今後どうなっていくかは分からないが、少なくとも火山活動が活発化していく状況にはない」と説明。福島市は同日、臨時部長会を開き、情報の周知や安全対策の対応について協議した。木幡浩市長は「今回のレベル引き下げは安全宣言ではないが、噴火のリスクは下がった」と受け止めつつ、「安全対策に万全を期し、スカイラインの円滑な再開通に取り組む」と語った。