「双葉2次救急の拠点」 ふたば医療センター診療開始から1年

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 富岡町の2次救急医療拠点「県ふたば医療センター付属病院」は23日で診療開始から1年となった。2018(平成30)年度、双葉郡内の医療機関に搬送された救急患者の88.3%が同病院に搬送されており、救急患者に対応する2次救急医療拠点としての役割を果たしている。ただ住民の帰還に伴う医療ニーズの多様化が予想され、今後の対応も課題となっている。

 双葉地方広域消防本部が扱った救急患者のうち、同病院を含む双葉郡内の医療機関に搬送された患者の割合(管内搬送率、3月末現在)は55.6%で、17年の28.0%から上昇した。双葉郡内の医療機関への受け入れまでに1時間以上要した患者の割合は50.0%で、17年の64.1%より減少した。県病院局は「双葉郡に必要とされた2次救急医療拠点としての役割を果たせている」と分析する。

 昨年10月には医師の移動や患者搬送に使える「多目的医療用ヘリ」を導入。3月までの患者搬送は35件で、いわき市から中通りへの搬送が4割を占め、避難者が多い、いわき市の病院の混雑緩和にも貢献している。

 3月までの外来患者は延べ2752人。1日当たり8.0人で想定(6.9人)を上回るが、1日当たりの平均入院患者は3.9人で想定(10人)を下回る。入院患者が少ない背景には、避難先のかかりつけ医を離れて帰還することを不安視する住民が少なくないためとみられ、県病院局は「安心して帰還できる医療体制だということを周知していきたい」とする。また、避難指示解除に伴い帰還者が増えれば、医療ニーズも増えると予想される。同病院の診療科は救急科と内科のみで、対応が求められそうだ。

 双葉郡では震災前、四つの病院が2次救急医療を担っていたが、原発事故で全て休止となった。採算性などから民間の参入は難しく、地元の強い要望を受け、県が新たな拠点として同病院を整備した。