令和「次の時代にふさわしい」 最終候補「万和」考案の石川氏

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いしかわ・ただひさ 東京都生まれ。東大文学部中国文学科卒、同大学院修了。桜美林大文学部長を経て二松学舎大学長・理事長を歴任。漢字文化振興協会長や全国漢文教育学会長、全日本漢詩連盟会長、史跡湯島聖堂(東京都文京区)を管理する斯文会理事長を務める。

 新元号の最終候補に挙がった六つの原案のうち「万和(ばんな)」を考案した元二松学舎大学長の石川忠久氏(87)=中国古典=は24日、都内で福島民友新聞社のインタビューに応じ、新元号「令和」について「次の時代にふさわしい。良い元号だと評価している」との認識を示した。元号考案者が取材に証言するのは異例。

 石川氏は、自身が考えた「万和」に関し「自信作だった。万は大きい、和はまとまるという意味があり、平和が続くことへの願いを込めた」と説明した。

 今年3月14日付での正式委嘱に先立ち、同1月ごろに面会した政府の担当者から依頼を受け、「万和」に加え「和貴(わき)」「光風(こうふう)」「豊楽(ほうらく)」「泰元(たいげん)」など計13の元号案を提出したことを明らかにした。

 石川氏は日本を代表する漢文研究・漢字教育の第一人者で、本紙に「漢字の世界 四字熟語」「ふくしま漢詩紀行」などを連載した。

 【石川忠久氏インタビュー】平和、明るい時代願う

 新元号「令和」まで1週間となった24日、「平成」に代わる新元号の候補を考案した元二松学舎大学長の石川忠久氏(87)=中国古典=は福島民友新聞社のインタビューで「令和」の時代を迎えるに当たり「平和が続き、前向きで明るいイメージが広がる時代になってほしい」と思いを語った。

 ―新元号が「令和」に決まった。受け止めを。
 「次の時代にふさわしい。令には良い、和にはまとまったとの意味があり、めでたい言葉だ。画数が少ないので書きやすく、響きも分かりやすい。良い元号だと評価している。新味もあり、国民に受け入れられるのではないか」

 ―確認できる限り初めて国書の「万葉集」が元号の典拠となった。
 「国書の初採用も評価している。もともと万葉集は中国の漢詩が基礎となっており、いい流れができたのではないか。中国古典だけにこだわらず、国書の中に良いものがあれば採用すべきだろう」

 ―政府が最終候補とした六つの元号案に、自身が考案した「万和(ばんな)」が入った。
 「万和の典拠は中国古典の文選(もんぜん)から『奏陶唐氏之舞、聴葛天氏之歌、千人唱万人和』(いにしえの聖天子の舞や歌を歌うと多勢の人が唱和する)の一節。万には大きいとの意味がある。音楽や舞を人々が謳歌(おうか)するという極めてめでたい様子を表し、次の時代も平和が続いてほしいという願いを込めた。書きやすく、発音もしやすい。自信作だった」

 ―元号考案者として委嘱を受けた経緯は。
 「政府の担当者が今年1月ごろに訪ねてきて直接依頼を受けた。重い使命を担ったと思い、約3カ月間、一生懸命考え13の案をそろえた。『万和』に加え『和貴(わき)』『光風(こうふう)』『豊楽(ほうらく)』『泰元(たいげん)』などの案を紙に書いて提出した」

 ―「令和」の時代に期待することは。
 「昭和は激動の時代であり、平成は戦争がなかった一方で災害が相次いだ。令和は後ろを振り返らず、前向きで明るいイメージが広がる時代になってほしい」