飯舘で国産「漆」生産始まる 村の若者ら広大な土地に苗木植樹

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漆の苗木を植える協力者ら

 飯舘村で4日、試験的な漆の生産が始まった。放射性物質の影響がないかどうかなどを見極めつつ「までいの村産」の漆の出荷を目指す。村での漆の生産は初めて。「いいたて漆生産プロジェクト(仮称)」と銘打ち、村の若者3人が事業に着手した。

 関係者によると、国産漆の約7割は岩手県で生産されているが、国内で使われる漆のほとんどは中国から輸入しており、岩手県産が占める割合は国内需要の2%にとどまる。文化庁は2015(平成27)年に重要文化財の修復には原則、国産漆を使用するよう通達、年間2.2トンの国産漆が必要であるとの試算を出した。岩手県で漆の活用などに取り組むNPO法人ウルシネクストによると、国産漆の生産量は年間1.2トン程度と試算より1トンほど足りないという。

 プロジェクト発起人の佐藤健太さん(37)が新たな村おこしにつながればと、岩手県を視察。冷涼な気候が漆の産地の同県二戸市と似ていることなどから漆の生産を決めた。東京電力福島第1原発事故後に手つかずとなっている同村の広大な土地の利活用も狙いの一つだ。

 通常であれば15年程度の成木から漆液を採取するが、プロジェクトでは5年程度生育させた後、機械で漆液を採取する技術を使い短期間での漆生産を目指す。3人は村内3カ所に、同県から取り寄せた漆の苗木計600本を植樹する。

 この日は、佐藤さんの畑で作業が行われた。NPO法人ウルシネクストなどからも関係者約20人が訪れ、植樹に協力。約1.5メートル間隔で漆の苗木250本を植樹した。佐藤さんは「村の中で一貫して漆を生産できるようにしたい」と意気込んだ。